研究課題/領域番号 |
21K20653
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大西 真理 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (50377793)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アラビノガラクタンプロテイン / 原形質連絡 / 細胞壁 / 糖転移酵素 / 糖鎖 / 気孔 / シロイヌナズナ / 情報伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
アラビノガラクタンプロテイン(AGP)は植物固有のプロテオグリカンファミリーである.AGPは植物の様々なプロセスで重要な働きをしていると考えられているが,分子数が多く重複性が高いため機能解析が困難である.AGPは構成分子の大部分が糖鎖であり,この糖鎖はAGPの機能に重要であるため,糖鎖修飾を抑制することにより全AGPの機能が抑制されると考えられる.本研究ではこの糖鎖修飾の第一ステップを行うヒドロキシプロリンガラクトシル化酵素(HPGT1,2,3)の三重変異株,すなわち全AGPの機能抑制株をツールとして用いた詳細な表現型解析および情報伝達解析により,AGPの新たな分子機能の解明を目指す.
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研究成果の概要 |
植物特有のプロテオグリカンファミリーであるアラビノガラクタンプロテイン (AGP)は植物の生育・生殖プロセスに重要であるが、分子数が多く重複性が高いため機能解析が困難である。また、構造が複雑で非常に大きな糖鎖が付加しており、この糖鎖がAGPの生理活性に重要である。本研究では、AGP糖鎖修飾の第一段階を担う糖転移酵素HPGTの三重変異株hpgt1,2,3の表現型探索により、AGPの新規機能解明を目指した。その結果、気孔のパターン形成や原形質連絡の生合成、細胞壁の定常性をAGPが担っていることを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、植物にとって重要な機能を持つと考えられているにも関わらず、重複性の高さからこれまで顕在化してこなかったAGPの新規機能探索を、糖鎖修飾酵素HPGTの欠損によりAGP全体の機能を抑制させるという全く新しいアプローチにより行ったものである。その結果、これまでに報告がなかった気孔や原形質連絡の形成に重要な働きをしていることを明らかにすることができた。この新規のアプローチにより、今まで解析が困難であったAGPの更なる解明が進むことが期待される。
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