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ウイルスによる宿主行動変容の分子機構と感染維持への意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K20657
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
研究機関京都大学

研究代表者

酒井 まどか  京都大学, 医生物学研究所, 研究員 (80910025)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード行動操作 / ウイルス / 感染伝播 / 生存戦略
研究開始時の研究の概要

ウイルスをはじめとする感染体の生存戦略のひとつに宿主の行動操作がある。中枢神経系に感染するボルナ病ウイルス(BoDV)を感染させたラットでは、活動の亢進が観察される。宿主のこの行動変容は、子孫ウイルスの産出量が極めて少ないBoDVが効率よく感染伝播を成功させるための生存戦略ではないかと仮説をたてた。
この仮説を検証するために、BoDVの宿主の行動操作に関わる分子機構、およびBoDVによる宿主操作の意義を明らかにすることを本研究の目的とする。本研究は、ウイルスと宿主の巧みな共生関係に関する新たな知見をもたらすと考えられる。

研究成果の概要

脳に持続感染するボルナ病ウイルス(BoDV-1)の個体間伝播機構は明らかにされておらず、同ウイルスの生存戦略としての宿主の行動変化を調査した。そのために、新生ラットにBoDV-1を接種させ行動を評価した。同腹仔で集まる習性であるハドリング行動において、非感染群と比較して感染群では時間を要した。対個体への行動変化として攻撃性を評価したが、その異常性は確認できなかった。
以上から、嗅覚刺激がハドリング行動に関与することから、BoDV-1感染が宿主の嗅覚器官に影響するのではないかと考えられた。今後、BoDV-1の生存戦略として、嗅覚変化に伴う宿主の行動操作を解明する研究につながる成果となった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

BoDV-1は持続感染を特徴とし、同宿主内で複製し生存できる。その一方で、産生する子孫ウイルス粒子が極めて少ないにもかかわらず、自然界においてトガリネズミの 25~100%に感染し効率的な個体間伝播を果たし、生存の場を拡大している。しかしながら、どのように個体間の感染伝播を果たしているかわかっていない。そこで、これまでにラットやマウスにおいてBoDV-1の実験的感染により観察された行動変化に注目し、ウイルスの生存戦略を解明することを目指した。本研究においてはじめて、感染による嗅覚への影響が示唆され、BoDV-1の個体間伝播機構を明らかにする端緒となる成果になった。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-10-22   更新日: 2024-01-30  

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