研究課題/領域番号 |
21K20692
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
長谷川 孝一 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (20546783)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 軸索起始部 / 核膜複合体 / 核 / 軸索 / 可塑性 / i-GONAD / LINC |
研究開始時の研究の概要 |
軸索の細胞体近位に存在する軸索起始部(AIS)は、活動電位が発生する場であり、神経機能を生み出す構造的基盤として重要な役割を担う。そのため、AIS構成分子群の遺伝子変異は神経疾患の発症要因となる。AISは様々な状況に応じてその構造や分子プロファイルを変化させて神経の興奮性を調節するが、AISの形成や可塑性制御の分子機構は解明が遅れている。本事業では、核膜LINC複合体に焦点をあて、核を介したAISの形成および可塑性制御の分子機構を解明する。本事業により、これまで全く知られていない「核を起点としたAISの制御機構」が明らかになり、その知見はAIS関連神経疾患の病態解明にも繋がると期待される。
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研究成果の概要 |
軸索の細胞体近位に存在するAISは活動電位の生成や調節において極めて重要な働きをする。しかし、AIS自体が非常に可塑性の高い構造体であることがわかってきたものの、AISがどのように形成され、その可塑性がどのように制御されているのかについてはいまだに解明が進んでいなかった。本研究では、神経突起に対して機能未知である核膜LINC複合体によるAISの形成・可塑性制御の分子機構を主に初代培養ニューロンを用いて解析した。本研究で、LINC複合体はAISの形成・可塑性制御に必須であり、また、その制御にアクチンが関与することが示唆され、今後の分子メカニズムの解明に大きく寄与する成果をあげることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、AISの形成や可塑性制御に核膜LINC複合体が関与し、また、それはさまざまな神経細胞で普遍性を示していたことから、脳機能の根本的基盤となる分子機構の発見に寄与したと考えられる。今後は、てんかんや双極性障害などに関与するAIS関連遺伝子由来の神経疾患の治療法、予防法の開発に貢献することが期待される。
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