研究課題/領域番号 |
21K20701
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山田 晴也 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (70907146)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Nwd1 / プリン新生 / プリノソーム / 神経幹細胞 / 脳発生 / 代謝 / 肝臓 / 神経分化 / 大脳皮質 |
研究開始時の研究の概要 |
正常な脳発達においてプリン代謝産物の産生量の制御は不可欠であり、その異常は様々な精神疾患に関与する。近年、プリン新生のための連続的な酵素反応は、巨大タンパク質複合体「プリノソーム」で行われることが示された。プリノソー ムの形成は、細胞の増殖や分化に普遍的な役割を持つと推定されるが、プリノソーム形成の分子メカニズムは不明である。申請者が新規同定したNwd1遺伝子は、神経幹細胞で豊富に発現し、プリノ ソーム形成に関与することで増殖・分化を制御する。本研究ではプリノソーム形成におけるNwd1の役割を生化学的手法と組織解剖学的手法を用いて明らかにする。
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研究実績の概要 |
正常な脳発達においてプリン代謝産物の産生量の制御は不可欠である。近年、プリン新生のための連続的な酵素反応は、巨大タンパク質複合体「プリノソー ム」で行われることが示された。プリノソームの形成は、細胞の増殖や分化に普遍的な役割を持つと推定されるが、プリノソーム形成の分子メカニズムは不明で ある。申請者が新規同定したNwd1遺伝子は、神経幹細胞で豊富に発現し、プリノソーム形成に関与することで増殖・分化を制御する。本研究ではプリノソーム 形成におけるNwd1の役割を解明する。特に、Nwd1のリガンドとなるタンパク質を同定し、リガンド依存的にNwd1がプリノソーム形成を誘導する可能性を検証す る。加えて、神経分化におけるプリノソームの役割を明らかにするため、 Nwd1-KOマウスを樹立し、組織形態学的な解析を実施する。昨年度、Nwd1のリガンドの候補となりうるタンパク質群を、共免疫沈降法とLC/MS解析により網羅的に探索・同定した。また、ゲノム編集により作成したNwd1-floxマウスとCAG-Creマウスとの交配により、全身性でNwd1を欠失するNwd1-KOマウスの樹立に成功した。今年度、Nwd1結合タンパク質の候補群の精製タンパク質を、大腸菌を用いて作製した。そして、精製タンパク質群の中でNwd1と直接結合する因子を明らかにした。また、ゲNwd1-KOマウスの全身臓器の組織形態学的な解析を行い、各臓器における表現系を明らかにした。特に、胎児期の脳と肝臓においての表現系が認められたため、今後、当該表現系がどのような分子メカニズムで起きているのかを明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Nwd1-KOマウスの樹立に成功したことで、その表現系解析が順調に進んだため。
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今後の研究の推進方策 |
現在Nwd1-KOマウスで表現系が確認されている脳と肝臓において、より詳細な組織形態観察、細胞内オルガネラの観察を行う。また、Nwd1とその直接結合タンパク質との相互作用の生理的意義を明らかにすることで、Nwd1-KOマウスの表現系がどのような分子メカニズムで起きているのかを明らかにする。
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