研究課題/領域番号 |
21K20721
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石井 千晴 九州大学, 薬学研究院, 助教 (90905308)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 加齢性疾患 / タンパク質 / アミノ酸残基異性化 / 多次元HPLC / 質量分析 / アミノ酸残基 |
研究開始時の研究の概要 |
白内障・アルツハイマー病などの加齢性疾患は根本的治療法が未確立なものが多く、早期診断法や新規治療標的の発見が人々の健康寿命延長・患者のQOL向上につながる。病変タンパク質におけるアミノ酸残基異性化は加齢性疾患の診断指標・治療標的候補として近年注目を集めているが、従来法では分析対象が限定され、新たな価値探索を可能とする網羅的分析法の開発が切望されていた。本研究は、タンパク質構成全アミノ酸残基について鏡像異性体を識別した網羅的精密定量を可能とする新規分析法を世界で初めて開発するものであり、加齢性疾患の新規診断法開発・治療標的探索を推進可能である。
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研究成果の概要 |
白内障やアルツハイマー病を始めとする加齢性疾患の新規診断法・治療標的を探索するため、病変タンパク質中D-アミノ酸残基の網羅的精密定量を可能とする分析法開発を行った。所属研究室が有する独自技術(特許4980740号、6296382号、US-9266826等)を駆使して本研究で新たに開発した分析法は、従来法の課題であった分析対象の網羅性や測定値の正確性不足を解決可能であった。九州大学病院眼科と協力して白内障患者の水晶体検体を収集し、実際の老化組織におけるD-アミノ酸残基の含量解析を行った結果、これまで測定困難であったアミノ酸残基についても精密定量が達成され、異性化したアミノ酸残基を新たに発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
白内障・アルツハイマー病などの加齢性疾患は根本的治療法が未確立なものが多く、早期診断法や新規治療標的の発見が人々の健康寿命延長・患者のQOL向上につながる。アミノ酸残基異性化は当該タンパク質の変性・機能変化を惹起することから、加齢性疾患の診断指標・治療標的候補として近年注目を集めているが、網羅的かつ正確な分析法の欠如により研究は停滞していた。本研究の遂行により、従来は測定困難であった残基を含め、世界に先駆けて加齢性疾患の病変タンパク質におけるアミノ酸残基の網羅的キラル識別分析が達成された。新たに発見した異性化残基は、今後疾患の診断マーカー・治療標的としての利用が期待される。
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