研究課題/領域番号 |
21K20740
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
水田 賢 京都大学, 医学研究科, 助教 (40909503)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生殖細胞 / 霊長類 / カニクイザル / 胎児 / 体外培養 / 卵母細胞 / 原始卵胞 / 減数分裂 / 再構成卵巣 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、霊長類の始原生殖細胞を高効率に卵母細胞へ誘導する体外培養系の確立である。これまでの研究により、カニクイザルの始原生殖細胞を卵母細胞へ誘導する新規体外培養法の開発に成功したが、現状の培養法では誘導効率が非常に悪く、最適な培養条件ではないと考えられる。本研究で、より多くの卵母細胞を適切な培養期間で誘導できる条件を見いだし、より高度な体外培養系を確立することは、霊長類の雌性生殖細胞の発生機構の解明・ヒトの生殖細胞関連疾患の病因解明に関する研究の基盤になると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、霊長類胎児の卵母細胞発生過程の既存の体外再構成法の高効率化を目的に、カニクイザル胎仔卵巣細胞から作製した再構成卵巣を用いて、種々の体外培養条件検討を実施した。その結果、改良型の体外培養法でカニクイザル再構成卵巣を維持することで、卵原細胞の増殖効率・卵母細胞への分化効率・原始卵胞の形成効率が大幅に改善することが示された。改良型培養法で得られたカニクイザル卵母細胞様細胞は、いずれの減数分裂期においても、生体の卵母細胞に非常に近い組織学的特徴および遺伝子発現状態を有していた。これにより、高効率にカニクイザル卵母細胞を誘導可能な改良型培養法の確立に成功したといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した改良型培養法により、生体に近い効率でカニクイザル胎仔卵母細胞の発生過程を体外再構成することが可能となった。当培養法は、霊長類の多能性幹細胞から誘導した未熟な生殖細胞を試験管内で分化・成熟させる際の基盤技術となり、ヒトを含めた霊長類の雌性生殖細胞の発生機構の解明に繋がるものである。 生殖細胞は、遺伝情報の次世代への継承という、種の存続や進化において極めて重要な役割を担っている。よって、その発生機構の解明は、生物学的な知見の構築のみならず、その異常に起因する遺伝性疾患や不妊等のヒト疾患の病因解明・治療開発の推進に繋がると考えられ、医学的にも重要な研究成果である。
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