研究課題/領域番号 |
21K20743
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
田中 美緒 宮崎大学, 医学部, 助教 (00910689)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 上皮細胞間接着 / 寄生虫 / 腸管寄生線虫 / 腸管上皮 / 細胞間接着装置 / タイト結合 |
研究開始時の研究の概要 |
腸管上皮においてタイト結合をはじめとする細胞間接着装置は、外界からのバリア機能を担う。細胞間接着装置の破綻は感染症や炎症性腸疾患等、様々な病態で報告されているが、その破綻・修復機構については不明な点が多い。 本研究では、excretory/secretory protein (E/S protein)の分泌によりタイト結合を破綻させてマウス小腸上皮細胞間に寄生するヴェネズエラ糞線虫の侵入メカニズムに着目し、寄生虫感染マウスとE/S protein処理Caco-2細胞を用いて、タイト結合を含む細胞間接着装置の構造と細胞接着関連タンパク質の発現動態変化を検討し、上皮バリア維持機構を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究は腸管寄生線虫であるヴェネズエラ糞線虫が小腸上皮細胞間に侵入する動態の解明を通して腸管上皮のバリア維持機構を紐解くことを目的とした。糞線虫感染マウス小腸組織の形態評価(光学顕微鏡および電子顕微鏡観察)と免疫組織化学を用いた細胞間接着関連タンパクの発現変化解析を通して、糞線虫感染に伴い感染部位局所的に腸管上皮細胞のタイト結合関連分子の発現変化が起こっており、細胞そのものへの障害は非常に少ないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は腸管寄生線虫であるヴェネズエラ糞線虫の小腸上皮侵入機構の解明を通して上皮細胞間結合の調節機構を紐解くことを目的とした。糞線虫感染マウス小腸組織の形態評価と細胞間接着関連タンパクの発現変化解析を通して、糞線虫感染局所における細胞間結合の破綻およびタイト結合関連タンパクの発現分布変化が起こっており、細胞そのものへの障害は非常に少ないことが示唆された。本研究結果はヴェネズエラ糞線虫による小腸上皮細胞間結合の非侵襲的な調節機構の一端を明らかにするものであり、この侵入機構を応用して低侵襲・高効率なドラッグデリバリーシステムの実現や腸バリア機能が損なわれる各種病態解明への応用も期待できる。
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