研究課題/領域番号 |
21K20751
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
原田 恭弘 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (70911402)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心血管発生 / 内皮細胞 / リン酸化酵素 / SGK1 |
研究開始時の研究の概要 |
SGK1リン酸化酵素はマウス胚において内皮細胞特異的に発現し、Sgk1欠損マウスは血管発生異常のため胎生致死となるが、内皮細胞におけるSGK1の上流・下流シグナル伝達経路はほとんどわかっていない。申請者はこれまでにSGK1の血管内皮エンハンサーを同定し、ETS転写因子がその内皮特異的活性に必須であることを明らかにした。また、内皮細胞におけるSGK1基質の探索を行い、複数の新規基質候補を同定した。本研究では、内皮エンハンサーを介したSGK1発現制御メカニズムを明らかにするとともに、新規SGK1基質の活性制御による下流シグナル伝達様式を解明する。
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研究成果の概要 |
SGK1上流のシグナル伝達経路については、SGK1遺伝子周囲の種間保存性やヒストン修飾などをin silicoで解析し、lacZレポーターマウスで検証を行い、近位と遠位に内皮細胞特異的転写活性を持つエンハンサーを同定した。さらに、エンハンサー領域を数百bpまで絞り込み、両エンハンサーに共通して存在するETS転写因子コンセンサス結合エレメントが転写活性に必須であることを明らかにした。 SGK1下流のシグナル伝達経路については、活性欠損型・恒常活性型SGK1を発現させた培養内皮細胞のリン酸化プロテオーム解析を行い、内皮細胞制御や心血管発生に重要なことが知られる因子を含む複数の新規基質候補を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心血管発生・形態形成を制御するシグナル伝達系の異常は遺伝性血管病や先天性心疾患などの難病の原因となるが、血管内皮におけるSGK1の上流・下流シグナルの研究はほとんど進んでいない。近年、血管内皮におけるSGK1の機能解析は本研究を除くとMEK/ERK・細胞増殖における意義の報告があるのみであり、成人循環器疾患において既に創薬ターゲットとして開発が進むことと対象的である。したがって、本研究により明らかにされたSGK1の血管内皮細胞における上流および下流シグナル伝達経路は国内外を問わず新規性があり、臨床的にも重要な知見をもたらすことが期待される。
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