研究課題/領域番号 |
21K20762
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
古山 若呼 長崎大学, 高度感染症研究センター, 助教 (60908903)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | エボラウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
エボラウイルスは、その病原性の高さから高度安全実験施設(BSL-4)での取り扱いが義務付けられており、野生型エボラウイルスを用いた研究は極めて制限されている。本研究では、野生型ウイルスの生活環を模倣し、BSL-2での取扱いが可能なエボラウイルス様粒子(VLP)を基盤とし、VLPを構成する主要なエボラウイルス因子に蛍光タンパク質を融合することで、一連の生活環をリアルタイムで可視化できる新規システムの確立を目的とする。このシステムを活用することで、ウイルス複製時におけるウイルス因子の細胞内動態および宿主因子との相互作用を時空間的に解析することができ、様々な新規知見を提供することが期待される。
|
研究成果の概要 |
エボラウイルスは高い致死率を伴う重篤なエボラ出血熱(エボラウイルス病)を引き起こす病原体であり、高度安全実験施設(BSL-4 施設)での取り扱いが義務付けられている。そのため、野生型エボラウイルスを用いた研究は限定されている。エボラウイルスは粒子上に唯一glycoprotein (GP)と呼ばれるスパイクタンパク質を発現しており、ウイルスが標的細胞に感染する際に重要な役割を担う。本研究では、BSL-2環境下においてウイルス粒子の取り込みから新たなウイルス粒子が形成されるまで、一連のウイルス生活環でのGPの局在を追跡可能とする新規システムの開発を行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで開発されたエボラウイルス感染阻害薬の多くは、最も高い病原性を持つウイルス株を標的としている。従って、今後、他種ウイルス株や変異ウイルスによるアウトブレイクが発生した場合、現存の治療薬では対応できない可能性があるため、多様な作用機序を持つ新規薬剤の開発が喫緊の課題となっている。今回開発したシステムを用いることで、特に、まだ詳細が明らかにされていない、ウイルス粒子にGP が取り込まれるメカニズムが解明されることが期待される。さらにこのプロセスを標的とした治療薬の開発へと展開することで、新規治療薬の創出に繋がることが期待される。
|