研究課題/領域番号 |
21K20781
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
横井 愛香 北里大学, 医学部, 助教 (90907148)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 子宮内膜癌 / morule / PTEN過剰発現 / EBP50 / β-カテニン / β-catenin / MPA療法 / 転位分化 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、食生活の欧米化により若年者の子宮内膜癌が増加し、その治療として妊孕能温存を目的とした黄体ホルモン(MPA)療法が施行される。本治療法の特徴的病理形態変化として子宮内膜癌細胞のmorule細胞への転位分化があるが、その起点シグナルの分子機構は不明である。高円柱状の癌細胞が紡錘形のmorule細胞へと変化する過程は、細胞極性の消失を伴うと考え、細胞極性制御因子のEBP50とその関連分子であるβ-カテニンとPTENに焦点を当てた。転位分化機構を解明することにより、この分子基盤を応用した子宮内膜癌に対するMPA療法の有益な新規効果判定・予後予測システムを構築する。
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研究成果の概要 |
PTENがmorule巣で高発現を示していたことから、PTEN過剰発現細胞株を作製した結果、Slugの発現増加、E-cadherinの発現低下を示し、線維芽細胞様への形態変化を認め、EMT化が示唆された。さらに、増殖能は低下しており、老化細胞の増加を認めた。また、ALDH1、CD44sの発現増加を示したことから、PTEN過剰発現はCSC様特徴を得ることが示唆された。その要因として、未分化の細胞周期と増殖の維持に関与するとされるCyclin D2が挙げられ、β-カテニンを介して制御されている可能性を得た。転位分化分子機構の一部を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、若年子宮内膜癌患者の妊孕性温存を目的とするMPA治療法の改良・確立を目指すことで、基礎研究と臨床研究の橋渡し的位置づけとなる。これは、臨床検体の詳細な解析結果と培養細胞を用いた関連分子の機能解析結果をハイブリッドすることにより、本治療法の分子基盤の一側面の解明が可能となる。最終的に、得られた成果を実臨床現場にフィードバックして、挙児希望の若年子宮内膜癌患者に対するMPA治療法の有益な効果判定や予後予測システムの構築を目指す。
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