研究課題/領域番号 |
21K20784
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
有冨 貴史 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (20907357)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | CD11c / 全身性エリテマトーデス / CAR-T / B細胞 / T-bet / FcRL / IL-6 / CAR |
研究開始時の研究の概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)の病態形成においてB細胞は重要である。B細胞の中でもT-bet+CD11c+B細胞がSLE病態 (自己抗体産生や腎炎)に関与することが明らかにされたが、同細胞の機能は不詳である。一方で、血液疾患の治療で注目されるCAR-Tを用いて、SLEモデルマウスにおいてB細胞を標的としたCAR-T療法の有用性が報告された。 CD11cを標的としたCAR-T細胞を作成し、in vitroでT-bet+CD11c+B細胞の機能解析することを目的とした。また、同実験系の確立により、SLE等の自己免疫性疾患に重要な分子の機能解明につながると考え、実験を計画した。
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研究成果の概要 |
本研究では、SLE病態に関わる病的B細胞サブセットを選択的に制御するため、T-bet+CD11c+B細胞を標的としたCAR-T療法開発を目的とした。in silico解析により、SLE感受性遺伝子のうち細胞膜に発現、かつB細胞で特異的に発現する遺伝子を選別し、FcRL5はNaive B細胞やDN B細胞など我々が標的として考えているB細胞サブセットに発現することを明らかにした。さらにT-bet+CD11c+B細胞の分化制御機構や病態との関連性の検討を進め、同細胞の分化には細胞内代謝、特に解糖系の亢進が重要であり、機能としてIL-6などの炎症性サイトカイン産生が重要であることなどを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はSLEの病態形成において大変重要な役割を果たす病的B細胞サブセットであるT-bet+CD11c+B細胞の分化機構や機能を解析し、病態解明、治療応用を目指す点で学術的意義を有する。 また、CAR-T療法の様々標的分子を対象とした治療応用や患者特性に沿った治療開発(precision medicine)の探究は、膠原病以外にも、アレルギー、癌など幅広い疾患にも応用可能であり、社会的意義が高いと考えている。
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