研究課題/領域番号 |
21K20787
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
Yeh Tzuーwen 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 免疫研究部, リサーチフェロー (40904389)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | type I interferon / Eomes / 多発性硬化症 / Granzyme B / 神経変性疾患 / 神経変性 / Eomes Th細胞 / IFN-I / Eomes陽性Th細胞 / I型インターフェロン / 免疫 / 神経変性病態 / Th細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、難治性中枢神経疾患の中核をなす神経変性病態の機序解明を目指す。私たちが同定したEomes陽性Th細胞は、細胞障害性プロテアーゼGranzyme Bの酸性を介して神経変性の原因となる神経細胞障害を引き起こす。最近、神経変性病態と密接に関わる慢性炎症の要因の一つであるI型インターフェロン(IFN-I)が、Eomes陽性Th細胞の生成に関わる可能性を見出した。そこで、IFN-Iの産生源であるミクログリアの機能に着目し、種々の遺伝子改変マウスを用いて神経変性病態に伴うIFN-Iの意義と作用機序の解明を行う。
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研究成果の概要 |
我々は、中枢神経系(CNS)に生じるGranzyme Bを産生する細胞障害性Eomes陽性Th細胞が、二次進行型多発性硬化症(SPMS)や神経変性疾患における神経細胞死の原因となることを見出したが、Eomes陽性Th細胞の誘導機序は不明であった。その後、I型インターフェロン(IFN-I)シグナルの阻害により、Eomes陽性Th細胞が減少することが明らかとなったことから、本研究では、IFN-Iが高発現する遺伝子改変マウスを用いて、Eomes陽性Th細胞の生成機序の解明を行った。その結果、IFN-IがTh細胞のEomes発現誘導と神経細胞死に重要な役割を果たすことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
I型インターフェロン(IFN-I)は、ウイルス感染時に産生され、その増殖を抑制する液性因子であるが、慢性炎症を誘導するIFN-Iが免疫応答に及ぼす作用や、その過剰産生を伴う種々の中枢神経疾患に対する病態修飾機序は不明である。本研究では、神経変性病態に関わるEomes陽性Th細胞の生成と同細胞による神経細胞障害が、CNS内におけるIFN-Iの過剰産生により生じるという学術的に重要な成果を得た。神経変性疾患ではCNS内のIFN-I産生亢進が共通して生じるため、Eomes陽性Th細胞依存性の神経細胞死におけるIFN-Iの意義を解明ことで、中枢神経疾患の病態機序の理解がさらに進むことが期待できる。
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