研究課題/領域番号 |
21K20813
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
鈴木 陽 順天堂大学, 医学部, 助教 (10912975)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ヒトパピローマウイルス(HPV) / 上皮成長因子受容体(EGFR) / HPVウイルスゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、HPV中咽頭癌においてEGFR経路の各因子の動態を解析し、また、その他の癌関連パスウエイ動態を網羅的に解析する。EGFR経路因子の動態に強い関連を示す、①ウイルスゲノムとEGFR蛋白発現量との関係性 ②リン酸化抗体を用いたPI3K-Akt経路因子の免疫染色による評価を行う。Ⅰ.培養細胞を用いたEGFR下流パスウェイの活性化状態評価として①HPVウイルス感染特異的なシグナル伝達系の同定 ②網羅的遺伝子発現解析を行う。Ⅱ. ヒト組織での活性化シグナル経路の検証と株化細胞での治療標的の探索として③活性化シグナル経路の検証 ④各種阻害剤による抗腫瘍効果の判定を行う。
|
研究成果の概要 |
本研究は、HPV関連中咽頭癌(以下、HPV-OPC)におけるEGFRパスウエイ異常の解明を目的とし、HPV-OPCにおけるEGFRタンパク・mRNA発現量の変化やその機序を追及し、EGFR下流パスウェイへの影響も明らかとすることを目的とした。 中咽頭癌においてEGFR蛋白低発現はHPV関連癌にのみみられる事象であり、それらはEGFR遺伝子promoterメチル化・HPV-type16感染・virus genome E6の発現量と関連しており、非角化型の病理組織像と有意に関連していたが、遺伝子の変異/増幅/欠失などはみられず、その他の臨床病理像や予後には関与していなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HPV関連中咽頭癌(HPV-OPC)では他の頭頸部癌と同様に抗上皮成長因子受容体(EGFR)薬であるセツキシマブ(EGFRモノクローナル抗体)が化学療法に使用されるが、これまでセツキシマブの治療効果予測因子として臨床的に確立されたものはない。HPV-OPCではセツキシマブの効果が乏しい症例も多く、治療薬の選択法を確立する必要があった。HPV-OPCではEGFR蛋白発現は低下傾向があり、更にウイルスゲノムやpromoter領域のメチル化に関連がみられた。これらを更に解明していくことで抗EGFR薬の治療効果予測因子や、HPV-OPC独自の治療法の重要なデータを提供することが可能となると考える。
|