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肝細胞におけるセリン生合成経路を標的とした膵がん肝転移治療法開発の試み

研究課題

研究課題/領域番号 21K20828
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0901:腫瘍学およびその関連分野
研究機関東京大学

研究代表者

山本 恵介  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10608532)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード膵癌 / 肝転移 / セリン生合成経路 / 代謝
研究開始時の研究の概要

膵癌は予後の悪い難治癌であり、治療法も限られていることから、新しい治療標的を見つけることが重要です。膵癌は血管の少ない腫瘍を作るため、内部では栄養が不足しています。申請者は、膵癌細胞がこうした膵腫瘍内の低栄養環境で生き延びるため、神経細胞や線維芽細胞といった周辺の細胞から栄養の供給を受けることを報告してきました。しかし、膵癌で最も多い転移先である肝臓において、膵癌細胞がどのようにして栄養を確保しているのかは不明でした。そこで本研究では、膵癌細胞の存在により肝細胞の代謝がどのように変化しているのか、膵癌の進展にどのような影響を与えるのかを明らかにし、これを標的とした治療法の開発を目指します。

研究成果の概要

申請者は、ヒト膵癌の約4割が非必須アミノ酸の一つであるセリンの生合成経路を欠損していること、これらの膵癌は、膵臓原発巣では神経細胞からセリン供給を受けて生存していることを報告した。しかし、進行膵癌患者の大部分が罹患する肝転移病変において、セリン生合成経路欠損膵癌がどのようにしてセリンを獲得しているかは不明である。本研究では、肝転移巣近傍の肝細胞ではセリン生合成が増加していること、マウス初代肝細胞との共培養により、肝細胞で合成されたセリンが、セリン生合成経路欠損膵癌細胞に取り込まれ、その生存を促進することを明らかにした。現在、その詳細な機序の解明と治療標的化を目指した検討を進めている。

研究成果の学術的意義や社会的意義

膵癌は予後の悪い難治癌であり、治療法も限られていることから、新しい治療標的を見つけることが重要です。申請者は、膵癌の約4割の症例が非必須アミノ酸の一種であるセリンの生合成経路を欠損しており、原発巣に浸潤する神経細胞からのセリン供給に依存していることを報告しました。しかし、こうした膵癌細胞が、肝転移巣でどのようにしてセリンを獲得し生存しているのかは不明でした。本研究では、肝転移巣周辺の肝細胞がセリン合成を肩代わりし、癌細胞に供給していることを明らかにしました。その詳細な機序を解明し、これを抑制することで、転移性膵癌に対して特異性の高い、新規治療法の開発につながることが期待されます。

報告書

(2件)
  • 2022 研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-10-22   更新日: 2024-01-30  

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