研究課題/領域番号 |
21K20836
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
熊谷 健 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (10912040)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 胃癌 / 腸上皮化生 / 遺伝子解析 / 次世代シーケンサー / ゲノム解析 / エピゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
進行胃癌の解析では腫瘍関連遺伝子に種々のゲノム異常が蓄積していることが知られている。疫学的な研究から、腸上皮化生を有する胃粘膜は胃癌のハイリスク状態であることが知られており、腸上皮化生の近傍に胃癌が高頻度に出現することが多いことも知られている。本研究は、慢性胃炎で認められる腸上皮化生に着目し、胃の炎症性発癌の分子メカニズムを解明することを目的とする。本研究で得られる結果は、胃癌の発生メカニズムの解明に寄与するだけでなく、診断及び予防的治療の面で今後の胃癌診療の進歩につながるという点で、重要な意義があるものと考えられる。
|
研究成果の概要 |
ヘリコバクターピロリ菌感染を背景とした胃癌症例の化生上皮と非化生上皮を用いて、1腺管単位で1サンプルとしたDNA用の検体と、複数腺管をまとめたDNA/RNA用検体とを作成した。それぞれから抽出したDNA,RNAをもとに次世代シーケンサーを使用してDNA配列およびRNA発現量を解析し、得られたゲノムデータをもとにコピー数変化を算出した。腸上皮化生腺管は非化生腺管と比較して遺伝子変異数が非常に多く、腸上皮化生腺管は分裂を繰り返すことによりそのクローン領域を拡大していることがわかり、また腸上皮化生はおなじ症例においても非化生腺管と比較して遺伝子修復酵素の発現が低下していることが分かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸上皮化生腺管が同一個人においても非化生腺管と比較して遺伝子変異数が多く、遺伝子修復酵素の発現が低下していることがわかった。これはヘリコバクターピロリ菌が感染した個人の胃粘膜において、腸上皮化生が見られた場合は胃癌の発癌リスクであることを示唆し、胃癌の定期スクリーニングを行う必要性の高い集団の選別に役立つ。ひいては医療資源の効率的な配分に寄与する。
|