研究課題/領域番号 |
21K20853
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
足立 透真 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 病態生化学研究部, リサーチフェロー (70911973)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Group4 髄芽腫 / 小脳顆粒細胞前駆細胞 / グリア細胞 / 分化転換 / 膠芽腫 / オリゴデンドロサイト / SRC / Group4髄芽腫 / 小脳膠芽腫 |
研究開始時の研究の概要 |
SRCは様々ながんにおいて腫瘍促進的に機能することが古くから知られているタンパク質であるが、どのような分子と相互作用することによって腫瘍の形成や悪性化に寄与するのか、その詳細な分子機構に関してはいまだ未解明な点が多い。本研究の目的は、後脳神経上皮でのSRCシグナルの機能亢進が誘導の一因であることがわかっているGroup4髄芽腫と、我々の先行研究で小脳顆粒細胞前駆細胞でのSRCシグナルの機能亢進によって誘導されることが新たにわかった小脳膠芽腫に着目し、それぞれの腫瘍形成においてSRCがどのようにして発がんを誘導するのかを解明し、悪性化に寄与する新規治療ターゲットを発見することである。
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研究成果の概要 |
本研究において申請者は電気穿孔法によって作出したそれぞれのモデルマウスを用いて、髄芽腫と小脳膠芽腫、それぞれの脳腫瘍の性質を分子レベルで解明することを目指した。胎生期のマウス小脳において遺伝子A, Bを同時に過剰発現した際に、神経芽細胞由来とされる髄芽腫ではなく、オ リゴデンドロサイト由来と見られる膠芽腫の誘導が確認された。さらに申請者は、異なる細胞種特異的な遺伝子A,Bの活性化によって、異なる脳腫瘍である髄芽腫と小脳膠芽腫がそれぞれ形成されることを確認した。これらの結果を踏まえて、申請者は小脳の特に発生期において細胞が分化転換を引き起こす現象に着目し、研究を実施した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児脳腫瘍は稀少癌であるが、小児のがんのうち最も死亡率が高く、効果的な治療法を探索・開発していくべき疾患のひとつである。小児脳腫瘍のうち小脳に生じる Group4 髄芽腫や小脳膠芽腫は非常に悪性度が高いが、適切な脳腫瘍モデルマウスが少なく、発がんシグナルの同定などの基礎研究が滞っているのが現状である。本研究では、世界で初めてGroup4 髄芽腫や小脳膠芽腫を作出してきた研究チームに所属する申請者が、それぞれの脳腫瘍モデルマウス を用い、腫瘍形成の分子メカニズムの解明に取り組む新規性の高い研究である。
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