研究課題/領域番号 |
21K20886
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
千葉 弓子 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70835777)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | SGLT2阻害薬 / 心不全 / 酸化ストレス / ROS / 機械的負荷 / 伸展刺激 / SMIT1 / NOX2 / SGLT2 / 機械的刺激 / 心筋細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病治療薬であるSodium glucose transporter 2 (SGLT2)阻害薬には心不全改善効果があることが明らかとなったが、実はそのメカニズムの主因はわかっていない。高血圧や弁疾患による慢性的な圧/容量負荷などの機械的負荷が契機となり過剰な活性酸素種(Reactive Oxygen Species: ROS)産生が心不全発症の要因の一つとされている。そこで、本研究では単離心筋細胞を用いて、SGLT2阻害薬が伸展誘発性ROS産生に及ぼす影響を明らかにすることにより、SGLT2阻害薬の心不全改善効果のメカニズムの一端に迫る。
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研究成果の概要 |
心筋細胞に伸展刺激を加えると直ちに伸展誘発性にROSが産生される。本研究により、我々はSGLT2阻害薬のエンパグリフロジンがこの現象を抑制することを明らかにした。SGLT2は心臓には発現しないことから、この現象にSGLTファミリーの一つであるSMIT1が関与していると考え、ミオイノシトールによるSMIT1刺激を行ったところ、伸展誘発性ROSと同様にエンパグリフロジンで抑制されるROS産生現象を確認した。これらの結果により、SGLT2阻害薬はSMIT1の活性を阻害することで急性伸展誘発性ROS産生を抑制していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SGLT2阻害薬は慢性心不全の治療薬として使用されているが、その心不全改善メカニズムの詳細は不明であった。本研究成果により、SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンは心筋細胞へ急性伸展刺激を与えたときに発生する酸化ストレスの一因である活性酸素種(ROS)の産生を抑制することがわかり、これか心不全改善効果の一端を担っていることが示唆された。
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