研究課題/領域番号 |
21K20889
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
佐藤 輝紀 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (30733422)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Onco-cardiology / heart failure / Apelin / 腫瘍循環器学 / CCR4-NOT複合体 / APJ / CNOT3 / mRNA分解 / 心機能調節 / 抗腫瘍薬 / 心不全 |
研究開始時の研究の概要 |
癌治療患者において、抗腫瘍薬による心毒性の問題があるが、その分子機序は未解明である。また、患者因子の検討も不十分であり、薬剤性心筋症を発症する患者背景を解析することで、患者要因を同定も必要と考える。本研究では、これまで申請者が携わってきたApelinやレニンアンジオテンシン系の分子ネットワークや、CCR4-NOT複合体による心機能調節機構が、抗腫瘍薬が心毒性を発揮する機序にどのように関与するかを解明することで、治療方法あるいは予防法の開発へと応用することを研究目的とする。
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研究成果の概要 |
脱アデニル化実行因子であるCnot6Lに着目し、その遺伝子欠損マウスの圧負荷肥大心を作製した。RNA-seqによる網羅解析において、野生型マウスと比較してgene-Xが上昇していることに見出した。TACによる圧負荷にてCnot6L欠損マウスの心機能低下や心肥大はCnot6L; gene-X二重欠損マウスでは改善が認められた。さらに、PATアッセイにてCnot6L欠損心筋細胞においてはgene-Xのpoly A鎖長が延長していることが分かった。以上より、Cnot6Lによる脱アデニル化機構はgene-X mRNA制御を介して心機能を調節していることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌患者における心血管疾患は癌死を除いては最大の死因である。癌患者のみならず、心不全発症の分子機構はいまだに解明されていない点が多く、他臓器と違い分子標的薬が開発されていない。発症機序の解明が不十分であることから治療法の開発にも至っていない。RNA調節機構に着目して行った本研究は、これまでの研究とは違ったアプローチと考えられ、今後も推進していく価値があると考えている。
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