研究課題/領域番号 |
21K20915
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐野 晃俊 東北大学, 大学病院, 医員 (20906060)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 慢性肝疾患 / 肝硬変 / 酸化ストレス / TCA回路 / サルコペニア / Nrf2 / クエン酸回路 / フマル酸 / 肝疾患 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / NAFLD / 脂肪肝 / NAFLD/NASH |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪肝は肝細胞に中性脂肪が異常に蓄積した状態をいう。脂肪肝は肝線維化を経て肝硬変・肝細胞癌の素地となりうる疾患であるほか、心血管イベントの発症率も上昇するため、その母集団の多さから公衆衛生上の大きな問題であり、病態の解明と治療法の開発が急務である。本研究では、細胞内のミトコンドリアにおける重要な代謝経路であるTCA回路の中間体と細胞内ストレス応答に着目し、脂肪肝治療のターゲットを発見することを目的とする。
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研究成果の概要 |
脂肪肝を含む慢性肝疾患では筋肉量減少(サルコペニア)が進行しやすく、サルコペニアの存在は肝疾患の予後を悪化させる。本研究ではマウス筋芽細胞を用いた細胞実験において、慢性肝疾患による肝機能の低下で上昇するアンモニアによって、TCA回路中間体のインバランスが生じ、Nrf2の核内発現が低下することで酸化ストレス感受性が亢進することが示唆された。本研究により、TCA回路中間体やKeap1-Nrf2システムに着目した治療開発につながる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性肝疾患では筋肉量減少(サルコペニア)が進行しやすいとされており、サルコペニアの存在は肝疾患の予後を悪化させる。疾患人口も高齢化が進み、今後サルコペニアの対策はより重要視されると推測されるが、治療法は確立していない。肝硬変にサルコペニアが合併しやすい病態は、蛋白エネルギー低栄養や門脈圧亢進症の存在など多岐に渡るが、これまで細胞のストレス反応に着目した報告は少なかった。本研究では、肝障害によって血中に上昇するアンモニアによって、クエン酸回路の代謝産物やストレス応答を調整する因子(Nrf2)の変化を介してストレスへの感受性を亢進させる可能性が示唆され、今後の治療応用に繋がる可能性がある。
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