研究課題/領域番号 |
21K20924
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0903:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宮内 俊介 広島大学, 保健管理センター, 助教 (30910799)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心房細動 / 歯周炎 / 心房線維化 / 危険因子 / 口腔細菌 / 線維化 / 左心耳 / カテーテルアブレーション / 口腔内細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化の進む我が国において心房細動の有病率は増加し、80歳で約10人に1人が罹患しているとされる。心房筋線維化は心房細動の永続化や心原性脳塞栓症発症に関与し、心房細動患者の健康寿命を著しく低下させる。研究責任者は口腔内細菌血漿抗体価の上昇が心房細動アブレーション治療後の再発リスクとなることを初めて報告した。本研究はヒト左心耳組織を用いた基礎的研究および、心房細動患者を対象とした前向き臨床研究の両輪で展開し、歯周炎や口腔内細菌感染が心房筋線維化に関与する機序の解明および、これらを標的とした心房細動患者マネージメントの新たな治療戦略を提唱するための学術的エビデンスを創出することを目的とする。
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研究成果の概要 |
歯周炎は動脈硬化等の全身疾患に関与するが、歯周炎と心房細動の関連は明らかにされていなかった。本研究で我々は心房細動の発症および、持続化の基質となる心房組織の線維化に着目し、以下の点を明らかにした。1) 歯周炎における活動性炎症の定量化指標である歯周炎症面積(Periodontal inflamed surface area: PISA)と心房組織の線維化割合は正に相関する 2)持続性心房細動症例では発作性心房細動症例と比してPISAが高値である。これらの内容は査読付き国際英文誌に掲載された(JACC Clin Electrophysiol. 2023;9(1):43-53)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心房細動は脳梗塞、心不全の原因となり、発症、重症化予防が重要である。加齢や遺伝的素因も心房細動に関与するが、肥満、運動不足、睡眠呼吸障害、糖尿病、高血圧、脂質異常、喫煙、飲酒、カフェイン摂取は心房細動の修正可能な危険因子とされ、多職種による包括的な心房細動リスク管理が推奨されている。本研究成果は歯周炎が心房細動の新規の修正可能な危険因子であることを明らかにするための基礎的エビデンスとなる。既知の危険因子と比較して治療が容易な歯周炎を危険因子と明らかにすることは重要であり、心房細動診療における医科歯科連携の重要性が示唆される。
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