研究課題
研究活動スタート支援
虚血性心疾患および脳血管疾患発症の主要リスク因子である脂質異常症において、ANGPTL3を標的とした抗体薬等を用いた新たな治療戦略が注目されているが、これらの治療薬は高価であり、発展途上国や先進国貧困層にまで十分に普及させることは困難である。これらの問題を解決するべく、申請者は最近、ANGPTL3を標的とした脂質異常症改善ワクチンを作成し、マウスでのProof of concept(POC)を得た。本申請研究は、多くの治療抵抗性脂質異常症に対する効果的かつ安価な薬剤提供を実現するためのスタートアップと位置付けられる重要な研究基盤となる。
アンジオポエチン様因子3(ANGPTL3)を標的としたペプチドワクチンの開発に着手し、脂質異常症に対する改善効果を有するペプチド配列 (E3)を特定した(Fukami and Morinaga et al, Cell Reports Medicine 2021., 基本特許: 特願2021-84971. PCT/JP2022/20850)。また、野生型マウスを用いた本ワクチンの持続性評価では、初回接種から60週間、抗体価および脂質改善作用が保たれていた。さらにbooster接種により老齢に相当する113週齢まで抗体価が保たれ、この期間に明らかな副反応は認めなかった。
本研究ワクチンは、ANGPTL3を標的とした既存のバイオ医薬品に比し安価な新規薬剤となり、発展途上国等での普及も期待される。また、半年から年に1回投与で効果が期待できることから、 経済的な負担軽減に加え、接種による疼痛の頻度を減らすことで患者のアドヒアランス向上に寄与できる。本研究は多くの治療抵抗性脂質異常症に対する効果的かつ安価な薬剤提供を実現するためのスタートアップと位置付けられる重要な研究基盤となる。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (2件) (うち外国 1件)
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