研究課題/領域番号 |
21K20939
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
潮田 亮平 旭川医科大学, 大学病院, 助教 (50910270)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心筋細胞 / RNA結合タンパク質 / Csdc2 / 細胞分化 / 心筋細胞分裂 / 心臓再生 / エピジェネティクス / ヒストン修飾 / 転写因子 |
研究開始時の研究の概要 |
心不全が不可逆的である原因は、心筋組織に再生能力がないことである。その背景として、心筋細胞の分裂能力は著しく低いことがあげられる。我々はヒストン修飾H3K9me3が、心筋細胞の分裂を妨げていることを発見し、その標的遺伝子として6つの転写因子を同定した。本研究では、心筋細胞の分裂制御メカニズム解明を目的として、遺伝子の機能欠損または機能獲得実験を行い、これらの転写因子が心筋細胞分裂のドライバーであるかどうかを明らかにする。心筋細胞に分裂を誘導する方法が見つかれば、現在主流であるiPS細胞を用いた方法に加え、新たな心筋再生治療を確立できる可能性がある。
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研究成果の概要 |
終末分化した心筋細胞は分裂能力が著しく低いため、心臓は再生能力を持っていないがその原因は十分に理解されていない。本研究では、RNA結合タンパク質Csdc2が、細胞分化や分裂停止に関わるかどうかについて、マウスの組織や培養細胞モデルを用いて検討を行った。成体マウスにおいて、心臓や脳など細胞が分裂しない組織でCsdc2の遺伝子発現が高かった。心筋細胞では、分裂活性が高い胎児期と比較して分裂を停止した成熟心筋細胞でCsdc2の発現が上昇していた。C2C12細胞において、Csdc2は骨格筋分化に伴い発現が上昇した。これらの結果から、Csdc2は分化や細胞周期の逸脱に関与していることが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心臓は再生しない臓器であるため、心不全の治療は機能の維持を目的とした保存的治療法のみである。心筋細胞の分裂や終末分化は複雑な遺伝子ネットワークにより制御されているため、未知な遺伝子の機能を1つずつ解明していくことで、最終的に心不全の根本的治療法の開発に繋がる。本研究では初めて、分化や分裂制御に対するCsdc2の機能解析を行った。
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