研究課題/領域番号 |
21K20951
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
田中 真 岡山大学, 大学病院, 助教 (20831308)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心停止肺移植 / DCD / uDCD / 肺移植 / 心停止ドナー / 温虚血障害 / topical coolin / 心臓死肺移植 |
研究開始時の研究の概要 |
肺ドナー不足は深刻な問題である。その解決策としてuncontrolled心停止ドナー(uDCD)からの臓器移植が考えられる。しかしながら、uDCD肺において心停止直後から生じる肺障害の抑制が困難であまり普及していない。uDCDでは臓器提供の同意取得から初めて介入が可能になり同意取得後から臓器摘出までの肺保護法が肺障害抑制の鍵となる。世界的には肺保護法として冷却法と拡張法が実施されているがDCD肺の使用率は10%と低値であり十分ではない。今回申請者は「冷却拡張法」を考案した。本研究では本法の妥当性を検証しuDCD肺の使用可能性を広げ、日本のドナー不足解消に寄与し肺移植医療に貢献することを目指す。
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研究成果の概要 |
現在まで行った実験において,組織学的評価および生理学的評価を行い,以下のような結果を得ている。①細胞死数の比較(TUNEL testを使用)において,冷却拡張法群では拡張法群と比較して,細胞死数が有意に少ない。Lung Injury Scoreの組織評価において,冷却拡張法群では冷却法群・拡張法群と比較して,Scoreが低い(肺障害度が小さい)傾向にある。②移植後の血中酸素分圧において,冷却拡張法群では冷却法群・拡張法群と比較して,酸素分圧が有意に高い。以上のような結果に基づき,冷却拡張法は冷却法・拡張法よりも優れた肺保護法となり得ると考えており,引き続き実験を行い比較検討していく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦で肺移植のドナー不足は深刻な問題である。近年,心停止ドナー(DCD)からの肺移植が諸外国で行われるようになった。uncontrolled DCDは,脳死ドナー肺移植と比較して温虚血時間が長期になるため,肺保護が肺障害抑制において重要となる。現在,肺保護法として冷却法と拡張法が実施されているが,uDCD肺の使用率は10%と低く,より優れた新しい肺保護法が望まれる状況である。本研究の中間解析では冷却法群・拡張法群で保存効果の優位性を認めている。本研究結果に基づき、本法をuDCDドナーに適応することはuDCDの使用率を向上させ世界的なドナー不足の解決策の一助になる可能性がある。
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