研究課題/領域番号 |
21K20976
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
伊豫 巧朗 和歌山県立医科大学, 医学部, 準客員研究員 (70895820)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 母体免疫 / 肺炎球菌 / 単一細胞解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「母」の免疫が哺乳期間のみ維持される移行抗体によるものだけでなく、母体由来の免疫細胞が「児」の免疫機構の賦活に寄与することを明らかにし、母乳栄養により病原細菌の鼻腔保菌・宿主間伝播も抑制するかを明らかにする。 GFP陽性母マウスに哺乳された野生型仔マウスの腸管、胸腺、脾臓を採取し、GFP陽性細胞有無を確認する。仔マウスの脾臓・胸腺のバルク細胞(細胞懸濁液)を単一細胞解析により解析し、母マウス由来細胞の機能を特定する。 本研究により母体からの免疫移行による免疫賦活を利用した乳幼児における気道病原菌の保菌・伝播に対する新たな治療・予防戦略の開発に関する基礎的知見が得られることが期待できる。
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研究成果の概要 |
Pneumococcal surface protein A(PspA)を用いて母体経鼻免疫を行った。免疫母マウス由来の仔マウスの脾臓では、抗PspA特異的抗体産生細胞が有意に増加していた。離乳後3週間経過した6週齢にPspAを単回皮下投与した後に仔マウス血清中抗体価を測定したところ、非免疫母マウス由来仔マウスと比較して抗PspA特異的抗体価が高値を示した。また、肺炎球菌の全身感染モデルでは非免疫群と比較し生存率の上昇を認めた。母仔の脾臓細胞をPspAで刺激すると、両者ともIFN-g、IL-17Aの産生量が増加した。母体免疫においては仔への移行抗体だけではなく、免疫機構構築にも関与する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
申請者は母体からの免疫移行による乳幼児の免疫賦活法に着目した。先行研究において、母乳および経胎盤より移行した抗肺炎球菌特異的抗体が仔マウスにおいて肺炎球菌の鼻腔保菌、肺感染、全身感染を抑制することが知られているが、移行抗体以外の因子については十分な検討がなされていない。本研究は、母体免疫が児の免疫機構構築に及ぼす影響を明らかにするとともに、肺炎球菌感染症を抑制する機序を解明し、新規ワクチン戦略に貢献することを目的とする。すなわち、肺炎球菌共通抗原による経鼻免疫を受けた母マウス由来の仔マウスにおける免疫機構の賦活と免疫学的記憶の獲得について、調査する。
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