研究課題/領域番号 |
21K20995
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
垂水 洋輔 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (90912288)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 子宮内膜症 / interleukin-9 / 免疫応答 / 免疫 / ヘルパーT細胞 / IL-9 |
研究開始時の研究の概要 |
子宮内膜症の病態には炎症や免疫反応が関与するとされてきたが、そのメカニズムは十分に解明されていない。我々はこれまでにIL-9陽性ヘルパーT細胞が子宮内膜症患者の腹水中に多く存在し、IL-9が病巣局所の細胞増殖や炎症誘導促進に関与していることを明らかにしてきた。IL-9はマクロファージの貪食能低下やTh17細胞の分化誘導を引き起こすことが知られているが、IL-9のこれらの作用は子宮内膜症の免疫応答と一致している。本研究ではIL-9が及ぼす炎症・免疫制御機構を明らかにし、IL-9およびその受容体を標的とした増殖・炎症・免疫を制御しうる包括的な子宮内膜症治療アプローチを確立させる。
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研究成果の概要 |
子宮内膜症は子宮内膜様組織が異所性に増殖する疾患であり、その病態においてサイトカインは重要な役割を果たす。われわれはInterleukin(IL)-9に直目し、子宮内膜症患者の腹水中ではIL-9産生ヘルパーT細胞の割合が上昇し、子宮内膜症組織においてIL-9受容体の発現が正所性子宮内膜よりも上昇していることを明らかとした。さらに、子宮内膜症間質細胞においてIL-9はIL-8やCOX-2の発現を上昇させ、TNF-α存在下ではIL-8の発現を相加的に上昇させることを明らかとした。以上からIL-9は子宮内膜症の炎症反応に重要な役割があり、新たな治療標的となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果により、子宮内膜症におけるIL-9産生ヘルパーT細胞の割合の変化が明らかとなり、IL-9がIL-8を介する子宮内膜症の炎症、進展において重要な働きを持つことが示唆された。IL-9は子宮内膜症の新たな治療対象となる可能性がある。しかし、in vitroの研究による限界も存在するため、今後in vivoでの検討およびIL-9の免疫応答に対する役割について検討が必要である。
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