研究課題/領域番号 |
21K21024
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
梶原 美絵 日本大学, 歯学部, 専修医 (70906354)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 光遺伝学的手法 / 島皮質 / 光刺激 / PV細胞 / channelrhodopsin-2(ChR2) / 疼痛 / 行動生理学 / channelrhodopin-2(ChR2) / 光遺伝学 / parvalbumin細胞 / 神経障害性疼痛 / 行動生理 |
研究開始時の研究の概要 |
末梢神経の損傷は高次脳を可塑的に変化させ,異所性疼痛や痛覚過敏といった神経障害性疼痛を惹起する。以前の研究で下歯槽神経切断により島皮質は過興奮状態に陥ることが明らかとなっている。島皮質における可塑的変化は,末梢神経系が治癒した後も持続することから,島皮質の過興奮を抑制できれば異常疼痛を治療できる可能性がある。そこで本研究では光遺伝学的手法を用いて,ラット島皮質の興奮性ニューロンへの抑制性入力を制御することで,行動学的に疼痛抑制効果を評価する。
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研究成果の概要 |
本研究では口腔顔面における疼痛を光遺伝学的手法を用いて抑制できるかを行動学的に検証した。本研究にはparvalbumin-Cre遺伝子改変ラットの島皮質にアデノ随伴ウイルスを注入することで抑制性ニューロンであるparvalbumin細胞に選択的に光活性化型非選択的陽イオンチャネルであるchannelrhodopsin-2を発現させたラットを用いた。ラット頬に侵害レーザー照射を行いアクリル円盤上で逃避行動を示すレーザー強度を検索した。このレーザー強度を用いて頬への侵害レーザーおよびラット島皮質への青色光刺激を同時に行ったところ,侵害レーザー刺激のみの条件より逃避行動量が減少する傾向にあった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
智歯抜歯やインプラント手術,根管治療などの歯科治療はしばしば末梢神経障害を引き起こす。これらの歯科・口腔外科治療における末梢神経損傷は,神経障害性疼痛を惹起し難治性の経過を辿ることが多く未だ有効な治療法は少ない。本研究は光遺伝学的手法を用いて顔面領域の疼痛抑制効果を行動学的に検証した。結果,抑制性ニューロンを活性化させる光照射によって疼痛からの逃避行動量が減少する傾向にあった。これは今後の神経障害性疼痛の制御実験につながると考えられる。
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