研究課題/領域番号 |
21K21031
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柳沢 佑太 東北大学, 大学病院, 助教 (40899738)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 骨代謝 / マグネシウム / RNAシーケンス / インプラント / 骨造成 / 次世代RNAシーケンス / インディアンヘッジホッグヘッジホッグ / Integrin α10β1 / 骨形成 / 生分解性デバイス開発 / 包括的遺伝子解析 / 新規生分解性デバイス開発 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでマグネシウム(Mg)を主成分とする生分解性骨固定用デバイスの開発を進めてきた。Mgは加水分解によって生体内で分解されるため、デバイス形状や表面処理にMgデバイス特有の処理が必要となる。また既報の研究報告において、Mgデバイスには骨形成能を有する可能性が示唆されているが、実際のところ骨形成を完全にコントロールした報告はない。本研究ではMgデバイス存在下における骨形成系遺伝子の発現を網羅的に調査することにより、マグネシウムと骨形成に対する影響を明らかにするとともに、より生体親和性の高いMgデバイスの開発につなげることを目的とする。
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研究成果の概要 |
ラット大腿骨にチタン(Ti)またはマグネシウム(Mg)金属を埋入し、術後3日、7日後で大腿骨を採取しRNA-Seq解析を行った。約29000種の遺伝子群から、有意に変動した遺伝子約1900種を検出した。GO解析により発現遺伝子の機能を調査したところ、コラーゲン代謝に関する遺伝子群を同定した。さらにパスウェイ解析で上流の遺伝子を追跡したところ、Mg埋入群ではインディアンヘッジホッグ(IHH)遺伝子を中心としてHAPLIN1、Col2aが活性化していた。さらにMgとの直接的な関連を追跡したところ、Integrinα10β1を介してCol2aの上昇が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
材料学分野では、新規吸収性骨接合デバイスとしてマグネシウム(Mg)合金の利用が着目されている。またMgは骨形成初期においてカルシウム(Ca)とイオン交換を行うことで骨代謝に関与しているとされているが、生体内での生分解や骨代謝機序は解明されていないことが多い。今回、Mg埋入群で高発現を示したIHH遺伝子は軟骨形成で中心的な役割を担うことが知られているが、Ⅱ型コラーゲンやMgとの関連は報告が少ないため、これらパスウェイを包括的に把握することによりMg関連骨代謝機構の一部を観察できたことは本研究の成果であり、今後同分野の研究に知見を与えることができると考える。
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