研究課題/領域番号 |
21K21058
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
日吉 巧 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80911437)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 歯周炎 / 好中球 / エラスターゼ / エラスターゼ阻害剤 / 歯肉上皮バリア / 好中球エラスターゼ / ヒト歯肉上皮細胞 / 細胞接着分子 / 歯周炎マウスモデル / 歯周炎重症化 |
研究開始時の研究の概要 |
好中球の細胞内に存在するタンパク質分解酵素エラスターゼは,歯周炎患者の歯肉溝滲出液中で増加し,歯周炎の重症化に働くと報告されている.しかし,エラスターゼが歯周炎の重症化を誘導する詳細な分子メカニズムはいまだ不明である.本研究では,エラスターゼの宿主傷害作用および分子機能障害作用等に着目して解析を行い,エラスターゼが歯周炎重症化に働く機序を解明する.また,歯周炎病態におけるエラスターゼの役割を解明することで,中長期的には,エラスターゼを標的とした新規歯周炎治療法の開発を期す.
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研究成果の概要 |
歯周炎は,好中球の過剰な集積を特徴とする炎症性疾患である.好中球に内在するプロテアーゼであるエラスターゼは,歯周炎の重症化に働く可能性が長年報告されてきたが,その詳細なメカニズムは未だ不明なままであった.本研究では,エラスターゼがヒト細胞接着分子を分解することで,歯肉上皮のバリア機能を傷害し,歯周炎を重症化することを明らかにした.さらに,エラスターゼ阻害剤を投与した歯周炎モデルマウスでは,歯槽骨の吸収が抑制されたことから,エラスターゼ阻害剤が新規歯周炎治療薬となる可能性が示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,これまで不明であったエラスターゼによる歯周炎重症化機序を明らかにした点において学術的意義が高い.また,歯周組織中のエラスターゼを阻害することが歯周炎の重症化を抑制することも示唆された.近年薬剤耐性菌の進行が世界的な問題となっているが, エラスターゼ阻害剤を用いた歯周炎治療へのアプローチは,薬剤耐性菌を生じない新規歯周炎治療法の開発につながる可能性がある.
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