研究課題/領域番号 |
21K21066
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
堀越 励 広島大学, 病院(歯), 助教 (90911587)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 軟骨細胞 / 軟骨内骨化 / 骨再生 / 軟骨分化 |
研究開始時の研究の概要 |
現在の歯科医療において、歯周病によって生じた重篤な骨欠損を再生することは非常に困難である。そのため、進行した歯周病にも適応可能な新規歯周組織再生療法の開発が必要であると考える。 本研究では将来臨床応用することを想定して、ヒトの体内に存在し、また様々な組織に分化可能な細胞(間葉系幹細胞)と、動物由来成分を含まない培地のみを用いて移植体を作製することで、人体への安全性を考慮した。 本研究では、間葉系幹細胞と細胞自身が産生したコラーゲン等によって構成された細胞集塊が、軟骨誘導を施すことによって、大規模な骨欠損に対する組織再生能を発揮することを示し、また安定した細胞治療法を確立することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、歯周病によって失われた骨を再生させるための新しい治療法の開発を最終目標としており、細胞と細胞自身が産生したコラーゲン等によって構成された細胞集塊C-MSCsを骨欠損部へ移植することで骨再生効果を得られると期待した。実際に、軟骨誘導を施したC-MSCsを重篤な骨欠損モデルに移植することで、移植した細胞自身の骨化と、周囲の細胞の活性化によって十分な骨再生能を持つことが明らかになった。また本研究では、生体組織接着剤を使用することで、立体的な骨欠損形態にもC-MSCs移植が可能となる移植法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、軟骨誘導を施した間葉系幹細胞が軟骨内骨化を介して大規模骨欠損の再生に有効であることが明らかとなった。軟骨細胞は低栄養・低酸素環境下でも細胞活性を持つという特徴を持つため、現在の治療では再生困難な血管栄養の乏しいと考えられる重篤な骨欠損においても再生効果を期待できる。またこの成果は、本来目標としている歯周組織の再生だけでなく、医科領域で見られる外傷や炎症による骨欠損に対しても有効な再生治療法の開発の一助になると考える。 さらに、本研究で用いた細胞移植法には異種動物由来成分が含まれないため、臨床応用する上でリスクの少ない治療法を提供できるといえる。
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