研究課題/領域番号 |
21K21108
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中谷 桃子 東京工業大学, 工学院, 准教授 (40910154)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 子育て / 孤立 / Well-being / 産後鬱 / 産前産後の切れ目のない支援 / 産前産後 / 社会的ネットワーク / 妊娠 / 出産 / 育児 |
研究開始時の研究の概要 |
産後うつ予防のためには、妊娠期から適切に社会的ネットワークを構築し、孤立を防ぐことが必要である。しかし、産前の想定と産後必要なネットワークにギャップがあると予防的行動をとることができない。また必要性を認識していても心理的障壁等、阻害要因があれば行動には至らない。そこで、社会的ネットワーク形成を支援するための指針を得ることを目的とし、妊産婦が社会的ネットワークの必要性をどのように認識し、その認識がどう変化するかを明らかにする。具体的には、①妊娠期・産後の社会的ネットワークの必要性に対する認識と予測を捉える質問紙調査、②社会的ネットワーク形成行動の促進・阻害要因を捉えるインタビュー調査を行う。
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研究実績の概要 |
出産直後に高まる産後うつの予防のためには、妊娠期から適切に他者との関係性(社会的ネットワーク)を構築することが必要である。本研究の目的は、産前産後の社会的ネットワークの形成を支援するための指針を得るために、妊産婦が社会的ネットワークの必要性をどのように認識し、その認識がどう変化するかを明らかにすることである。 2021年度から2022年度にかけて、妊娠期・産後の社会的ネットワークの必要性に対する認識と予測を捉える質問紙調査(Web調査)を実施し、データ収集を完了した。具体的には、同一回答者に3回(妊娠後期/産後1か月/産後4か月)、同一の質問を行う調査を実施した。 調査の結果、妊娠期と産後を比較すると、産前に予想していた以上にコミュニケーション意向が高まることや、産後には夫とのコミュニケーションに対する満足度が低下していることなどが明らかとなった。 加えて、産後の孤立を防ぐ方策を導くため、横浜市内で多様なステークホルダによる「子育てにやさしいまちづくり」を掲げたワークショップを開催した。具体的には、子育て中の当事者や子育て支援団体の関係者に加え、保育士を目指す若者や、一般の大学生など、多様な参加者が集まった。ワークショップでは、子育てにやさしいまちづくりを行うためには、多様な人が気軽に出入りし交流できる場が必要であるなどのニーズが見いだされ、同ニーズを満たすさまざまなアイディアが創出された。 本データは、コロナ禍という特殊な状況下で収集された貴重なデータである。定量データについては、今後、コロナ禍という社会情勢も踏まえた丁寧な結果の解釈が必要である。また、ワークショップで生み出されたアイディアについても、社会実装していくことが重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本調査は、産前に1回、産後に計2回、同一の方に期間をあけて合計3回に渡り、Web調査に回答頂いた。初回の調査は妊娠中、2回目調査は産後直後に回答が必要な調査であったが、2回目調査の回収数(回収割合)は、当初想定していたよりも大幅に少なかった。そのため、急遽、妊娠期の回答者を追加で募集し、必要な回答数を確保した。このことから、産後4か月までのデータがすべて出揃うまでに時間を要した点が変更点である。 現在、全ての定量データの収集が完了し、一部のデータ分析を完了し、産前に予想していた以上にコミュニケーション意向が高まることなどが明らかとなった。 また、「子育てにやさしいまちづくり」を掲げたワークショップは、当初想定していなかった形ではあるが、子育て支援団体とともに実現し、多様なステークホルダによる共創ならではのアウトプットが創出した。
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今後の研究の推進方策 |
全てのデータの収集が完了したため、今後、データ分析を進め、論文化を行う予定である。本データはコロナ禍という特殊な状況下で収集された貴重なデータであるため、社会情勢も踏まえた結果の解釈が必要とされる。
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