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学童後期に阪神・淡路大震災で被災した人々の震災体験語りの実態とニーズの全国調査

研究課題

研究課題/領域番号 21K21123
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0908:社会医学、看護学およびその関連分野
研究機関聖路加国際大学

研究代表者

田中 加苗  聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (70910123)

研究期間 (年度) 2021-08-30 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード阪神・淡路大震災 / 災害中長期 / 震災体験語り / 被災児童 / 災害看護 / ピア / 物語化 / 被災者 / 学童後期児童 / 語り / 震災体験
研究開始時の研究の概要

災害看護学領域において、被災者の心理社会的ケアは非常に重要な課題である。
災害で喪失体験をした子どもにおいて、その体験の物語化(ナラティブ)が体験の乗り越えに有用であると言われるが、支援システムやガイドラインが不十分なため看護職主導では積極的には行われていない。
そこで本研究では、学童後期時代に阪神・淡路大震災で被災した人々を対象に、他者に震災体験を語った経験の有無(実態)と今後他者に震災体験を語る意思があるか(ニーズ)を全国的に調査する。大規模調査により対象の傾向を知ることで、看護職によるナラティブ・アプローチを基盤としたかつての被災児童たちへの心理社会的ケアシステム構築の一助とする。

研究成果の概要

本研究では、学童後期時代に阪神・淡路大震災で被災した人々を対象に、他者に震災体験を語った経験の実態と今後他者に震災体験を語る意思について、オンライン無記名自記式質問紙を用いて調査し、兵庫県内外の462名から回答を得た。
震災から1年以内に震災を経験した同世代の人々に震災体験を話したことが自分にとって良かったと感じている傾向があることが明らかになった。一方、今後震災体験を共有しても良いと思う相手も震災を経験した同世代の人々で、専門職との共有のニーズは低い傾向にあった。震災体験を語らない理由は多様だったが、自分より被害の大きかった人たちへの配慮として語らないようにしていたという傾向が見いだされた。

研究成果の学術的意義や社会的意義

災害急性期の被災児童に震災体験を詳細に語らせることは、精神的健康を害するリスクがあると考えられてきた。しかし今回、同じような体験をした同世代の仲間同士であれば、良かった、意味があったと思える震災体験語りが災害直後でもできることが示された。一方、医療職や心理職との体験共有の経験やニーズは低く、成人期になっても震災体験を語りたくない人がいたことも見出された。
これらのことは、被災児童の語らない権利も守りつつ、震災直後だけでなく成人期になっても、同じような体験をした仲間同士で振り返って話せるような環境を整備するという、当該の人々の自己回復を支えていく看護師主導の支援システム構築に寄与すると考える。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 学童後期に阪神・淡路大震災で被災した人々の震災体験語りに関する実態調査2022

    • 著者名/発表者名
      田中加苗
    • 学会等名
      日本災害看護学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2021-10-22   更新日: 2024-01-30  

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