研究課題/領域番号 |
21K21208
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
中西 康裕 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (10908057)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 医療・介護レセプト / 百寿者 / スーパーセンチナリアン / 寿命 / 医療・介護費 / KDB / 要介護度 / 介護サービス |
研究開始時の研究の概要 |
百寿者(100歳以上の長寿者)が身体障害を有する割合は非百寿者と比較して高くなるものの、百寿者は死亡に至る前の重篤な期間が他の年齢層と比較してより短い傾向にあることが先行研究により指摘されており、そうした現象はスーパーセンチナリアン(110歳以上)に近づくほど顕著である可能性が示唆されている。しかし、百寿者の死亡前重症期間を医療・介護費や保険サービスの利用実態に焦点を当て評価した研究はほとんどない。本研究では、奈良県KDB(国保データベース)及び長野県KDBの大規模な医療・介護レセプトデータを用いることにより、百寿者及び非百寿者の死亡前1年間の保険診療・介護の利用実態の解明を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大規模な医療・介護突合レセプトデータを用いることにより、百寿者(100歳以上)及び非百寿者(100歳未満)の死亡前1年間の保険診療・介護の利用実態を明らかにすることである。 最終年度となる令和5年度は、2013年4月~2020年3月まで(7年間)の奈良県KDBを用いて、75歳以上の後期高齢者を対象に死亡日から2年間遡り医療・介護費の分析を行った。百寿者の死亡前2年間に発生する介護費の中央値は、いずれの時点においても非百寿者より高い傾向にあった。しかし、医療・介護費総額の中央値は、死亡前30日間では百寿者の方が低い傾向にあるものの、1年間まで遡るとほぼ一定となり、2年間まで遡ると百寿者の方が高い傾向にあることが観察された。 また、KDBより抽出された死亡者のICD-10に基づく病名(疑い病名を除く)や要介護度等の情報を抽出・集計した。死亡前医療費について、一般化推定方程式を用いることで、病名や要介護度等で調整した医療費を算出した。 さらに、在宅医療に着目し、死亡前30日以内に開始された在宅医療が医療・介護費に与える影響についても分析した。死亡前30日以内に開始された短期的な在宅医療(短期群)は、より早期に開始された在宅医療(早期開始群)と比較して、医療費は高く、介護費は低い傾向が示されたが、医療費及び介護費に有意な差は認められなかった。また、短期群は早期開始群よりも在宅ターミナルケア加算や看取り加算の算定者が多い傾向にあった。 長野県KDBを用いた分析については、個人に割り当てられた共通IDを用いることで、上記と同様の分析が実施可能であることが確認された。
|