研究課題/領域番号 |
21K21220
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉田 優哉 九州大学, 薬学研究院, 助教 (90907536)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 慢性腎臓病 / ビタミンA / 体内時計 / トランスポーター / 尿毒症物質 / 単球 |
研究開始時の研究の概要 |
CKD患者は尿毒症物質の生体内蓄積によって様々な疾患を合併するが、最も死亡率が高い疾患が心不全である。これに関して申請者は、尿毒症物質の1つであるレチノールが単球の炎症活性を上昇させ、心不全を増悪させることを解明した。更にその後の検討で、CKDによる単球の炎症活性はレチノールの血中濃度よりも細胞内濃度と強い相関を示すという結果が得られた。このことから本研究では、尿毒症物質の細胞内濃度および膜輸送体の活性こそが病態を反映しているのではないか、と仮説を立て、CKDマウスの単球における膜輸送体の探索・機能解析を行い、CKD時の炎症活性・心疾患と強い相関を示す「真の尿毒症物質」の同定を行うこととした。
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研究成果の概要 |
慢性腎臓病(CKD)患者は尿毒症物質の生体内蓄積によって様々な疾患を合併する。本研究では過去の知見で得られた”尿毒症物質の一つであるレチノールの細胞内取込み増加”という現象から着想を得て、CKDマウスの単球におけるその他尿毒症物質の取込みを担う膜輸送体の探索を行い、CKD時の病態と強い相関を示す「真の尿毒症物質」の同定を行った。NGS解析などから候補となる膜分子を数種同定し、特に発現変化が顕著であるトランスポーターおよびこれを介して細胞内へ取り込まれる物質を同定した。この物質の取込み量はCKDにて顕著に増加しており、活性酸素種の代謝酵素であるALDH等の発現上昇に関与していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で同定した物質は、CKD時に排泄が阻害されることは以前から知られていたが、この分子自体には一般に毒性はない、と考えられており、CKD時の病態悪化の原因としては着目されてこなかった。本研究による解析にて、この物質の細胞内での異常な蓄積が炎症の増悪に寄与していることを明らかにした。本物質が「真の尿毒症物質」として着目されるきっかけとなることが期待される。
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