研究課題/領域番号 |
21K21227
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 日本保健医療大学 |
研究代表者 |
姚 潤宏 日本保健医療大学, 保健医療学部理学療法学科, 助手 (40909610)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Hippocampus / Medial prefrontal cortex / SAMP10 / memory / Anterior Thalamic nuclei / DPELD他動運動 / 認知症予防 / 海馬活性化 / PGC-1α-FNDC5/Irisin / 記憶学習維持 / 老化促進モデルマウス(SAMP10) / シナプスの形態 / 成長因子 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化に伴う認知症やアルツハイマー病(AD)の発症は大きな社会問題となっている。運動は認知機能低下及びADの発症に予防的な効果がある。しかし、実際に認知症高齢者は認知・身体機能が低下する自発運動困難者であり、既存の運動法では適応できない。そこで本研究では、新規二重他動運動負荷装置(DPELD)を開発し、老化促進モデルマウスの脳を活性化させ、記憶に関わる脳組織解析、そのメカニズムに関わる体液性因子の探索を行う。また、行動解析による認知機能評価を並行して行い、DPELDの効果を検証する。これらの解析を踏まえ、将来的に予防作用も含めたADに応用できるヒト用の新規他動運動方法に改良する。
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研究成果の概要 |
T-mazeの結果では、20WのDPELD群の反応時間が有意に短かった。受動回避試験の結果から、20Wと30W共に対照群比べ長い潜時を示した。組織解析から、DPELD群ではより多くの正常な神経細胞がDG、近位CA3、遠位CA1、およびMPFC領域に保持されていた。抗FNDC5抗体によるDPELD群のCA1遠位部、subiculum、およびrostral MPFCにより多く観察された。DPELD群の広範囲脳と海馬では対照群に比べてIrisinの発現量が有意に少なかった。神経栄養因子群の発現を解析した結果、DPELD群のマウス海馬におけるNGFの発現レベルは顕著な上昇を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新規刺激装置による脳機能と記憶に及ぼす影響についての知見を提供し、認知症の改善に寄与することが期待できる。mPFC-ATN-dHC神経回路が記憶の形成に関与することが知られているため、新規開発した装置による刺激が、この回路に与える影響を評価することは、認知症予防などを脳科学分野から理解を深める上で重要な成果となり得る。 高齢化社会が進む中、本研究で開発したDPELDは、運動刺激を通じて脳機能改善を行い、認知症の予防に寄与する可能性が示唆されるため、社会的意義が高いと言える。また、今後のヒトへの臨床応用研究に発展させることで、高齢者の健康維持や介護負担の軽減など、広範囲な分野での利用が期待される。
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