研究課題/領域番号 |
21K21245
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
大倉 和貴 秋田大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (70910313)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 食道癌 / 食道切除再建術 / 術後呼吸器合併症 / 横隔膜 / 超音波画像解析 / 呼吸筋 / 食道がん |
研究開始時の研究の概要 |
食道がんの根治的手術は大きな侵襲を要し、術後合併症や手術関連死亡が多い。無気肺や肺炎などの術後呼吸器合併症も多く、これらは臨床転帰に直結する。術後呼吸器合併症の回避には術後早期からの肺拡張や喀痰の促進が重要であり、横隔膜に代表される呼吸筋の機能も関係する。本研究では、根治的手術を受ける食道がん患者を対象に超音波画像解析を用いた横隔膜機能の評価を行い、術前の横隔膜機能と術後呼吸器合併症の関連や術後の横隔膜機能低下を助長する要因を検討する。これらの結果は、横隔膜機能と術後呼吸器合併症の関連を明らかにし、術前に呼吸筋をトレーニングすることの有用性の解明に繋がると考える。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は根治的手術が予定されている食道癌患者を対象とし、超音波画像解析を用いて測定した横隔膜機能が術後呼吸器合併症の新たなリスク指標となりうるか検討することである。本研究の対象者は食道癌患者70例であった。超音波画像解析を用いて術前後の横隔膜機能を測定したところ、術後1週および2週では術前と比較して横隔膜機能の低下がみられた。また、術前の横隔膜機能は喀痰困難や肺炎などの術後呼吸器合併症と関連していた。横隔膜機能の低下は術後呼吸器合併症のリスク要因であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食道癌に対する根治的手術は頸部、胸部、腹部と複数の手術操作を要し高侵襲である。鏡視下手術およびロボット支援下手術の導入により低侵襲化は進んできたが、肺炎などの術後呼吸器合併症は未だ多い。呼吸器合併症を含む術後合併症は臨床転帰に直結するため、これらを回避することは重要である。本研究の結果から術前の横隔膜機能低下が術後呼吸器合併症に関連することが示唆された。横隔膜を含めた呼吸筋の筋力は改善可能な要因であり、術前の呼吸筋強化が良好な臨床転帰に寄与する可能性がある。
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