研究課題
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慢性疼痛の発症とビタミンDの関連については、一貫した結果が得られていないのが現状である。その要因として、ビタミンD受容体遺伝子の一塩基多型によって、生体内におけるビタミンDの作用発現が変化することが考えられる。本研究では、慢性疼痛の発症と生体内のビタミンD濃度の関連を、ビタミンD受容体遺伝子の多型別に検討する。それにより、ビタミンDを用いた慢性疼痛のテーラーメイド型アプローチの発展に寄与する。
ビタミンD受容体遺伝子の転写活性にかかわる5種類の一塩基多型に着目し、それらで対象者を層別化し、慢性疼痛と25水酸化ビタミンDの関連を解析した。その結果、ビタミンD受容体遺伝子のプロモーター領域における転写因子CDX2結合部位の一塩基多型 (rs11568820)に変異アレルを有する場合のみ、25水酸化ビタミンD濃度が低いことと慢性疼痛の有病が関連することを明らかにした。
25水酸化ビタミンDと慢性疼痛の関連については世界的に多くの先行研究がなされているが、国内においては我々のグループからの報告に限られる。また、我々の研究成果は25水酸化ビタミンDと慢性疼痛の関連が対象者の特性によって異なることを示す世界で唯一のものである。得られた知見は、ビタミンD を用いた慢性疼痛の治療・予防法の発展と遺伝子情報を用いた慢性疼痛のオーダーメイドアプローチの確立につなげる。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
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