研究課題/領域番号 |
21K21331
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1101:環境解析評価、環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
NGUYEN MINHNGOC 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60909240)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生物利用可能性リン / 超音波抽出 / 河川水中懸濁物質 / 農地流出負荷 / 富栄養化 / 河川水中懸濁態物質 / 農地流出 / 藻類増殖 / 迅速な定量 |
研究開始時の研究の概要 |
人間活動による大量の窒素やリンが水域に排出され、水中の窒素やリンの濃度が上昇する。これは富栄養化現象といわれている。富栄養化がすすんだ過栄養状態の水域では、赤潮や青潮などの現象を引き起こし、環境問題となる。 富栄養化現象を抑制する為には、発生源の特定や窒素及びリンのインプット量とアウトプット量の変化を調査する必要がある。 本研究は富栄養化現象へ直接に影響するリンを迅速に定量する目的として研究している。短時間で処理できる超音波抽出法を用いて、生物利用可能性リンをより速く定量する手法を考案した。市街地や農地から流出したリン量を定量し、富栄養化現象の抑制を図る。
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研究成果の概要 |
富栄養化発生の主な要因には農業活動からの生物利用可能性リン(BAP)の排出がある。BAP定量は主にNaOH抽出手法が用いられている。この手法は河川水を懸濁態と溶存態を分離し、17時間振とう法で懸濁態BAPを抽出する。抽出された懸濁態BAPと溶存態BAPの合計で算定している。労力と時間がかかることから広く用いられていない。本研究では、超音波洗浄機とNaOHを用いて、河川水中の懸濁態と溶存態を分離せず1分間を3回繰り返すことでBAPを抽出できる手法を開発した。遠心分離法で得られた懸濁態BAPとろ過法で得られた溶存態BAPの合計と本研究提案手法のBAPを比較した結果は同等であることを立証できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、湖沼の富栄養化は全リンを用いて評価されている。しかし、全リンはすべて生物利用可能態リンではない。全リンの中には複雑な化学構造を持っているリンがあり、藻類はこれらを吸収できず、富栄養化に繋がらない。従って、生物利用可能態リン(以降BAP)で評価する必要がある。 超音波洗浄機を用いて17数時間がかかる振とう抽出法を3分間で抽出できるようになった。なお、BAP定量手順の全体は2時間になった。計測設備をうまく組み合わせれば8時間で64サンプルを測定できる。すなわち本研究の提案手法で、農地及び市街地の面源から流入されている河川水のBAP調査は効果的に行われることが期待される。
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