研究課題/領域番号 |
21KK0137
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩永 史朗 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20314510)
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研究分担者 |
荒瀬 尚 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10261900)
迫口 瑛史 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (60914174)
猪原 史成 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (00800773)
安齋 樹 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (40868824)
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研究期間 (年度) |
2021-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
19,110千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 4,410千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | マラリア原虫 / 抗体 / 感染赤血球表面抗原 / マラリア / 患者抗体 / 表面抗原 |
研究開始時の研究の概要 |
熱帯熱マラリア原虫感染赤血球表面抗原であるRIFINはヒト抑制受容体と結合し、免疫を抑制する。一方、ヒトは抑制型受容体の一部が偶発的に挿入された抗体(受容体挿入抗体)を産生し、原虫感染を防御すると考えられている。そこで、本研究ではインドネシア・パプア州のマラリア患者・住民を対象とした疫学調査を実施し、受容体挿入抗体の保有状況とマラリア臨床症状との関連を検討する。これによりRIFINと受容体挿入抗体、あるいは抑制型受容体の結合様式に基づく新規ワクチンの開発に向けた臨床的根拠を得る。
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研究成果の概要 |
マラリアは年間約2億人の感染者と約60万人の死者を出す世界最大の寄生虫疾患である。これまでの疫学調査の結果から、マラリア高度流行地の患者では免疫抑制受容体が挿入された特殊な抗体が存在し、これが感染赤血球表面抗原の一つであるRIFINに結合することが報告されている。そこで本研究ではインドネシア・パプア州の熱帯熱マラリア患者の血清学的な調査を行い、その存在を検討した。しかし合計45名の患者・健常者からはそのような抗体の存在は示されず、更なる調査が求められた。また、新たにRIFINと結合する新規受容体の同定に成功し、別の形の受容体挿入抗体の可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではマラリア流行地患者の血清学的な調査を行い、免疫抑制受容体が挿入された特殊な抗体の存在について調査を行なった。今回、15名の重症患者、15名の不顕性感染者、15名の健常者を対象に血清を得て、ELISAや原虫との抗体の反応性試験をおこなったがその存在を示すことはできなかった。しかし、新たに受容体挿入抗体の標的分子であるRIFINについて、新規受容体を同定することに成功し、新たな受容体挿入抗体の存在の可能性を示すことができた。今後も引き続き、調査を続けることにより、いかにして流行地の人々が免疫を獲得していくのかが解明されると期待され、マラリア防御に貢献すると期待される。
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