研究課題/領域番号 |
21KK0247
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
村瀬 洋介 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 研究員 (30709770)
|
研究期間 (年度) |
2022 – 2023
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
|
キーワード | 進化ゲーム理論 / 協力 / 間接互恵性 / 大規模計算 / 進化 / ゲーム理論 / 間接互恵 / 進化ゲーム |
研究開始時の研究の概要 |
気候変動といった地球規模の問題から、いじめや違法駐車といった日常的な問題まで、我々が出会う様々な社会問題の裏側には「個人が合理的に振る舞った結果として社会が望ましくない状態に至る」という構造が普遍的に存在し、それを社会的ジレンマと呼ぶ。そのジレンマを「評判」という情報を共有することで解決するのが間接互恵であるが、人々の間での情報共有が不完全で不一致が起きうるときに、いかにして相互の信頼を頑健に維持するかは大きな理論的未解決問題である。本研究では、我々が得意とする計算科学的手法と、理論研究で最先端をいく共同研究グループの手法を組み合わせることにより、この難問の解決を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究課題では、マックスプランク進化生物学研究所に九ヶ月滞在し、間接互恵性の進化に関して理論的に研究を行った。具体的な研究成果は主に二つある。一つ目は、間接互恵性における評判の双方向性と確率性を導入した新たなモデルを提案し、協力行動の維持メカニズムを理論的に解明した。二つ目は、社会規範の進化過程をスーパーコンピューターを用いて計算科学的に研究し、協力的な社会規範の進化にグループ構造が重要であることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
どちらの研究も、今後の間接互恵性の理論、実験研究における今後の研究の参照点となる重要な知見である。また計算科学的な手法を初めて進化ゲーム理論に持ち込み、科学的意義の大きい知見を得た。新しい手法を開拓し、この手法の有効性を実証したという意義も大きい。長期的には、我々の現在の社会の成り立ちについての理解を深めるという文化的、基礎科学的な意義に加え、気候変動や紛争などグローバルスケールの課題において、協力関係を構築するメカニズムのデザインに寄与するものと期待している。
|