研究課題/領域番号 |
21KK0290
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
田中 準一 昭和大学, 歯学部, 准教授 (40710166)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
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キーワード | 唾液腺 / 胚盤胞補完法 / 多能性幹細胞 / iPS細胞 / 胚盤胞補完 / 臓器サイズ / 大動物 |
研究開始時の研究の概要 |
唾液腺再生医療の究極の目標は、患者由来細胞から唾液腺を創生し移植することである。しかし、真に機能的で形態が複雑な唾液腺を作出している例はいまだない。申請者はマウスES細胞由来の唾液腺オルガノイドの誘導法、および基課題としてヒトiPS細胞由来唾液腺オルガノイド誘導法を開発した。しかし移植後の再生唾液腺はサイズが小さく、機能は不十分であり、臓器サイズと機能を確保できる別の手法の開発が望まれた。そこで本研究では、胚盤胞補完法を用いて機能的な唾液腺臓器の創生に取り組む。
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研究成果の概要 |
本研究ではFoxa2細胞系譜特異的にFgfr2を欠損させたマウスでは唾液腺発生が起こらないことを見出した。またこの唾液腺欠損を示すマウスの胚盤胞にマウス多能性幹細胞を注入することで、唾液腺欠損の表現型を多能性幹細胞が補完し、多能性幹細胞由来の唾液腺をマウス体内で作出することに成功した。胚盤胞補完を行ったマウスは正常に出生、成長することが可能であり、成獣においても野生型と同等の組織構造を有する多能性幹細胞由来唾液腺を伴っていることが明らかとなった。これらのアプローチは唾液腺再生医療の基盤技術を提供するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔乾燥症(ドライマウス)の潜在的患者数は800万人ともいわれており、齲蝕、口腔感染症および摂食嚥下障害などの罹患率の上昇がみられる。現在根治療法が存在しないため唾液腺再生医療の開発が切望されている。 本研究では、胚盤胞補完法を用いてES細胞およびiPS細胞からマウス体内で野生型と同等のサイズおよび組織構造を伴う唾液腺の作出に成功した。これらの成果は、将来的な大動物を用いた胚盤胞補完法によりヒトサイズの唾液腺を作出するための基盤技術となり得る。
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