グルコース代謝の制御を介した癌化の誘導とp53による癌化抑制機構の解析

• 研究課題/領域番号: 22390062
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 病態医化学
• 研究機関: 日本医科大学
• 研究代表者: 田中 信之 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80222115)
• 研究期間 (年度): 2010 – 2012
• 研究課題ステータス: 完了 (2012年度)
• 配分額: 18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円); 2012年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円); 2011年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円); 2010年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
• キーワード: 分子腫瘍学 / p53 / グルコース代謝 / p21 / 発癌 / 癌抑制 / 炎症 / 炎症性サイトカイン / stat3 / NF-κB / Stat3

研究概要

我々は、癌抑制因子p53がグルコース代謝を制限しており、p53の機能が失われるとエネルギー産生が亢進し、このことが癌化に重要であることを、培養細胞を用いて明らかにしてきた。そこで、生体での癌化おけるグルコース代謝の役割を、炎症誘発大腸癌発症モデルを用いて解析した結果、炎症組織ではIL-6を介してグルコース代謝が亢進すると共に、p53の細胞増殖抑制作用が減弱しており、このことが癌化に重要であると推測された。

研究成果

• [雑誌論文] Noxa induces apoptosis in oncogene-expressing cells through catch-and-release mechanism operating between Puma and Mcl-1. (2011)
  • 著者名/発表者名: Nakajima, W., and Tanaka, N.
  • 雑誌名: Biochem Biophys Res Commun 巻: 413 ページ: 643-648
  • 査読あり
• [雑誌論文] The role of the BH3-only protein Noxa in bone homeostasis. (2011)
  • 著者名/発表者名: Idrus, E., Nakashima, T., Wang, L., Hayashi, M., Okamoto, K., Kodama, T.,Tanaka, N., Taniguchi, T., and Takayanagi, H.
  • 雑誌名: Biochem Biophys Res Commun 巻: 410 ページ: 620-625
  • 査読あり
• [雑誌論文] The Role of the BH-3-only Protein Noxa in Bone Homeostasis (2011)
  • 著者名/発表者名: Idrus E, Nakashima T, et al
  • 雑誌名: Biochem Biophys Res Commun 巻: 410 号: 3 ページ: 620-5
  • DOI: 10.1016/j.bbrc.2011.06.040
  • 査読あり
• [雑誌論文] Noxa induces apoptosis in oncogene-expressing cells through catch-and-release mechanism operating between Puma and Mcl-1 (2011)
  • 著者名/発表者名: Wataru Nakajima
  • 雑誌名: Biochem Biophys Res Commun 巻: 413 号: 4 ページ: 643-648
  • DOI: 10.1016/j.bbrc.2011.09.036
  • 査読あり
• [雑誌論文] Interleukin 6 enhances glycolysis through expression of the glycolytic enzymes hexokinase 2 and6-phosphofructo-2-kinase/fructose-2,6-b isphosphatase-3. (2010)
  • 著者名/発表者名: Ando, M., Uehara, I., Kogure, K., Asano, Y., Nakajima, W., Abe, Y.,Kawauchi, K., and Tanaka, N.
  • 雑誌名: J Nippon Med Sch 巻: 77 ページ: 97-105
  • 査読あり
• [雑誌論文] Noxa is necessary for hydrogen peroxide-induced caspase-dependent cell death. (2010)
  • 著者名/発表者名: Aikawa, T., Shinzawa, K., Tanaka, N., and Tsujimoto, Y.
  • 雑誌名: FEBS Lett 巻: 584 ページ: 681-688
  • 査読あり
• [雑誌論文] Interleukin 6 Enhances Glycolysis through Expression of the Glycolytic Enzymes Hexokinase 2 and 6-Phosphofructo-2-kinase/Fructose-2,6-bisphosphatase-3. (2010)
  • 著者名/発表者名: Masaru Ando
  • 雑誌名: J.Nippon Med.Sch. 巻: 77 ページ: 97-105
  • 査読あり
• [学会発表] Role of enhanced glycolysis in oncogenic transformation in culture cells and rumor development. (2012)
  • 著者名/発表者名: 田中信之
  • 学会等名: 第71回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 札幌
• [学会発表] 新規hedgehogシグナル伝達分子WDR77はEGFRシグナルの下流でのSTAT3活性化による新しいGli活性化機構と細胞の癌化にも関与する. (2012)
  • 著者名/発表者名: 阿部芳憲
  • 学会等名: 第71回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 札幌
• [学会発表] 癌遺伝子E1A発現細胞におけるBH3-only因子Noxa/Pumaによるアポトーシス誘導機構の解析. (2012)
  • 著者名/発表者名: 中嶋亘
  • 学会等名: 第71回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 札幌
• [学会発表] 新規hedgehogシグナル伝達分子WDR77による癌化に関わるSTAT3を介した新規Gli1活性化機構. (2012)
  • 著者名/発表者名: 阿部芳憲
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 博多
• [学会発表] アポトーシス誘導因子Noxaタンパクの機能制御と癌化の抑制における役割 (2012)
  • 著者名/発表者名: 照沼美沙紀
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 博多
• [学会発表] アポトーシス促進因子BaxのBH2ドメインによる制御と活性化機構の解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 中嶋亘
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 博多
• [学会発表] DSS誘発腸炎マウスモデルでのp53-p21経路の抑制 (2012)
  • 著者名/発表者名: 谷村篤子
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 博多
• [学会発表] サイトカインレセプターの糖鎖修飾阻害による抗炎症作用の解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 上原郁野
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 博多
• [学会発表] p53による解糖系の制御とその癌抑制における役割 (2012)
  • 著者名/発表者名: 田中信之
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 博多
• [学会発表] Role of enhanced glycolysis in oncogenic transformation in culture cells and rumor development (2012)
  • 著者名/発表者名: 田中信之
  • 学会等名: 第71回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 札幌
• [学会発表] 新規hedgehogシグナル伝達分子WDR77はEGFRシグナルの下流でのSTAT3活性化による新しいGli1活性化機構と細胞の癌化にも関与する (2012)
  • 著者名/発表者名: 阿部芳憲
  • 学会等名: 第71回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 札幌
• [学会発表] 癌遺伝子E1A発現細胞におけるBH3-only因子Noxa/Pumaによるアポトーシス誘導機構の解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 中嶋 亘
  • 学会等名: 第71回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 札幌
• [学会発表] 新規hedgehogシグナル伝達分子WDR77による癌化に関わるSTAT3を介した新規Gli1活性化機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 阿部芳憲
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
• [学会発表] アポトーシス誘導因子Noxaタンパクの機能制御と癌化の抑制における役割 (2012)
  • 著者名/発表者名: 照沼美沙紀
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
• [学会発表] アポトーシス促進因子BaxのBH2ドメインによる制御と活性化機構の解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 中嶋 亘
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
• [学会発表] DSS誘発腸炎マウスモデルでのp53-p21経路の抑制 (2012)
  • 著者名/発表者名: 谷村篤子
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
• [学会発表] サイトカインレセプターの糖鎖修飾阻害による抗炎症作用の解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 上原郁野
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
• [学会発表] p53による解糖系の制御とその癌抑制における役割 (2012)
  • 著者名/発表者名: 田中信之
  • 学会等名: 第85回日本生化学会大会
  • 発表場所: 福岡
• [学会発表] 抗炎症効果を有する糖代謝阻害剤の機能解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 上原郁野
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-12-16
• [学会発表] 紫外線によるp53非依存性な細胞死誘導機構の解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 中嶋亘
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-12-16
• [学会発表] 癌化に関わるHedgehogシグナル伝達経路とSTAT3活性化経路の新しいクロストーク (2011)
  • 著者名/発表者名: 阿部芳憲
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-12-15
• [学会発表] 腫瘍の増大におけるHIF-1αとグルコース代謝の役割の解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 泉二祐輔
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-12-14
• [学会発表] p53による解糖系の制御と癌抑制及び癌化における役割 (2011)
  • 著者名/発表者名: 田中信之
  • 学会等名: 第84回日本生化学会大会シンポジウム
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2011-09-24
• [学会発表] p53による解糖系の制御と癌抑制及び癌化における役割.シンポジウム「がんの代謝調節」 (2011)
  • 著者名/発表者名: 田中信之
  • 学会等名: 第84回日本生化学会大会
  • 発表場所: 京都
• [学会発表] 癌化に関わるHedgehogシグナル伝達経路とSTAT3活性化経路の新しいクロストーク. (2011)
  • 著者名/発表者名: 阿部芳憲
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
• [学会発表] 抗炎症効果を有する糖代謝阻害剤の機能解析. (2011)
  • 著者名/発表者名: 上原郁野
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
• [学会発表] 紫外線によるp53非依存性な細胞死誘導機構の解析. (2011)
  • 著者名/発表者名: 中嶋亘
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
• [学会発表] 腫瘍の増大におけるHIF-1とグルコース代謝の役割の解析. (2011)
  • 著者名/発表者名: 泉二祐輔
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
• [学会発表] 癌化に関わる新しいhedgehog経路制御機構の解析 (2010)
  • 著者名/発表者名: 阿部芳憲
  • 学会等名: 第33回 日本分子生物学会年会、第83回 日本生化学会大会 合同学会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-12-10
• [学会発表] 糖代謝阻害剤による抗炎症効果の解析 (2010)
  • 著者名/発表者名: 上原郁野
  • 学会等名: 第33回日本分子生物学会年会、第83回日本生化学会大会合同学会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-12-10
• [学会発表] 癌遺伝子E1A発現細胞ではNoxa/Mcl-1経路がアポトーシスの感受性を制御している (2010)
  • 著者名/発表者名: 中嶋亘
  • 学会等名: 第33回 日本分子生物学会年会、第83回 日本生化学会大会 合同学会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-12-09
• [学会発表] p53 hampers tumor development by inhibiting NF-κ_B-glycolysis pathway (2010)
  • 著者名/発表者名: 田中信之
  • 学会等名: 第33回 日本分子生物学会年会、第83回 日本生化学会大会 合同学会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-12-08
• [学会発表] p53 hampers tumor development by inhibiting NF-kB- glycolysis pathway. (2010)
  • 著者名/発表者名: Tanaka, N.
  • 学会等名: 第33回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] 癌化に関わる新しいhedgehog経路制御機構の解析. (2010)
  • 著者名/発表者名: 阿部芳憲
  • 学会等名: 第33回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] 糖代謝阻害剤による抗炎症効果の解析. (2010)
  • 著者名/発表者名: 上原郁野
  • 学会等名: 第33回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] 癌遺伝子E1A発現細胞ではNoxa/Mcl-1経路がアポトーシスの感受性を制御している. (2010)
  • 著者名/発表者名: 中嶋亘
  • 学会等名: 第33回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [備考]
  • URL: http://www.nms.ac.jp/ig/moloncol/index.html
• [備考] 日本医科大学免疫部門ホームページ
  • URL: http://www.nms.ac.jp/ig/moloncol/index.html
• [産業財産権] 炎症性サイトカインの機能を抑制する炎症性疾患治療剤 (2011)
  • 発明者名: 田中信之、上原郁野、他3名
  • 権利者名: 田中信之、上原郁野、他3名
  • 産業財産権番号: 2010-273704
  • 出願年月日: 2011-12-08
  • 外国