研究概要 |
本研究では以下のことが明らかとなった。Getの意味概念は規則性もなく語彙項目の中に列挙されているのではなく、人間の認知能力の発達に伴い、拡張していく。Getは13世紀に名詞を伴って生じ初め、その後、様々な要素が当該動詞の後に生起するようになった。その生起状況はOEDおよび13世紀から19世紀にまでの300の文献を調査したところ、その歴史的発達の順番と人間がgetを習得していく順番に多くの点で類似していることがわかった。この習得は語彙の概念の拡張によって生じていくと考える。この拡張は基本となる概念[COME](1,2 人称への移動)と動作主、対象、起点(starting point)、着点(landing point)が関連する。拡張は動作主の拡張、対象の拡張、起点の拡張、着点の拡張からなり、それぞれ人間の認知能力の発達に伴って、具体的なものから抽象的なものへと進んでいく。このように考えることによって語彙項目に記載されるgetは拡張の理論と基本的な語彙項目によって示されることが可能となる
|