研究概要 |
量子補正モンテカルロシミュレーションを用いて,各種III-V族化合物半導体をチャネルとするプレーナおよびダブルゲート構造のMOSFET の特性を解析した。InGaAs は電子有効質量m *が小さいために注入速度vinjが大きいが,合金散乱とドレイン領域からの再注入により平均速度vsが減少し,かつゲート容量Cgが小さいために電子濃度nbが低い。GaAs はΓ-L谷間のエネルギー差が小さいためにL谷内の伝導が起こり,nbは高いがvinjが減少する。InP はm *が大きいためにvinjは小さいがドレイン領域からの再注入が起こり難く,逆にCgが大きいためにnbが高い。結果として,InP で最も大きいIdsが得られることを示した。III-V族化合物半導体チャネルの高速性の指標として,各種チャネル材料の HEMT の遮断周波数fTを見積もった。
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