研究概要 |
カワニナ類を第一中間宿主とする吸虫Genarchopsis 属の分子系統学的研究により, 琵琶湖型(G. gigi)は本邦の同種群の中でもっとも古く分岐した固有種であることが明らかになり,G. gigiは琵琶湖固有のカワニナ類に,G. goppoは非固有種に適応した種である可能性が高くなった。琵琶湖産カワニナ類の分子系統系統解析のための新たなDNA部位として、フォスファーゲキナーゼ(Pk)遺伝子のイントロンを開発した。また,ITS-1領域の塩基配列でタテヒダカワニナ(G. goppo感受性がある)との交雑個体の可能性が高いと思われた北湖産ハベカワニナ(通常はG. gigiのみ感染し,G. goppo感受性がない)2個体に寄生虫2種の感染実験を行ったところ, どちらの寄生虫も感染可能であることがわかり, 交雑が寄生虫への感染耐性に影響を与えていることが示唆された。 しかし, 得られたデータ数はまだ少なく, さらなるデータの積み重ねが必要である
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