研究概要 |
活断層の詳細な位置を変動地形学的に認定することが困難な沖積低地や断層の末端部において,地中レーダーを用いて地下構造をもとにその位置を確認する手法を開発することを目的とした.この結果,活断層の通過位置が明らかな場所においては,記録パターンの乱れなどから地層の擾乱が認められる例が多かったが,それをもとに断層変位構造を特定することは困難であった.したがって,活断層の存在が明確ではない地域において,伏在する活断層の位置と構造を正確に予測することは困難といえる.地層の堆積状況の把握にはある程度乾燥した未固結の細粒堆積物であることが重要であり,日本のような湿潤で地下水位の浅い地域では,地中レーダーを活断層調査の有効な手法とするには極めて厳しい制約があることが明らかになった.
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