研究概要 |
非圧縮性2次元Navier-Stokes 方程式の解である2次元トーラス(R/2πZ)2 の上のKolmogorov 流を対象として,共変リヤプノフ解析によるカオス状態の解析を行った. 解の分岐ダイアグラムを調べた後,カオスが発生するReynolds数の前後において従来のリヤプノフ解析を実行し,カオス発生のReynolds数 Re/Rc~18において第一リヤプノフ数が正となること,またRe/Rc~23において第二リヤプノフ数も正となることを見出した.このデータに基づいてGinelli et al.(2007) による共変リヤプノフベクトルを計算し,解軌道に沿う安定/不安定多様体の接空間のなす角度の分布を求めることで,カオス化直後は解軌道は双曲的であるが,第二リヤプノフ数が正に転じる Reynolds 数付近で非双曲的となることを見出した. またこの双曲/非双曲の転移点において空間の一点の渦度の時間相関関数の関数形が振動的から非振動的に変化することを見出した.
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