研究課題
若手研究(B)
サルで致死的流行したイヌジステンパーウイルスの性状解析を行った。 具体的には、肺炎、消化器症状等を主徴とする感染ザルのウイルス学的・血清学的・病理学的 解析からCDV による全身感染症であることを明らかにした。イヌSLAM 発現Vero 細胞を用 いて分離したCYN07-dV 株の全塩基配列を決定し(DDBJ / GenBank accession number AB687720)、既知のCDV で高度に保存されている領域において、複数のアミノ酸変異の存在 を明らかにした(細胞侵入に関わるH 蛋白質では4 箇所、F 蛋白質では8 箇所、ウイルス増殖 に関わるM やL 蛋白質等にも複数存在)。動物感染実験では、イヌで神経症状を伴う致死的感 染、カニクイザルでは中枢神経を含めた全身感染が認められ、その強い病原性を明らかにした。 レセプター指向性の解析では、CYN07-dV 株はサルのレセプター(SLAM ならびにnectin4) をイヌのそれらと同等もしくはそれ以上に効率良く使えるウイルスであることを明らかにした。 以上より、CYN07-dV 株はサルの免疫系細胞及び上皮系細胞に、in vitro 及びin vivo の両方で 効率よく感染・増殖し、流行したと考えられた。
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Journal of Virology
巻: 87 ページ: 1105-1114
J. Virol.
巻: 87 号: 2 ページ: 1105-1114
10.1128/jvi.02419-12
http://idsc.nih.go.jp/iasr/29/345/kj3451.html