研究概要 |
本研究は,動的刺激への反応事態において,幼児の予測や見越しの機能によって生じるタイミング能力を発達的側面と関連づけて検討することを目的とした.結果として以下のことが明らかとなった.(1)反応の誤差は低速の速度条件になるのに伴い,また低年齢になるのに伴い増大する傾向を示した.(2)移動する刺激の一部に遮蔽を加えた場合も類似の結果であった.(3)移動するボールに対して自身の動作を協調させ捕球を行う課題において,捕球成績の顕著な改善は見られないものの,特に5歳児の移動パターンに改善がみられた.以上から,動的刺激への反応において,先行情報の知覚に伴う予測の機能の重要性が示唆された.
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