研究概要 |
本研究は,近年増加している大学生の自殺問題に対する予防策を構築するために,学生相談体制におけるコミュニティ・モデルの有用性と課題について検討した。その結果,①自殺願望や自傷行為のある学生が一定数いること,②学生間で自殺や死にたい気持ちについて話題になり相談が行われることはまれではないこと,にもかかわらず,自殺予防に関する教育を受ける機会は乏しかったこと,③教職員へのコンサルテーションや教職員への研修(FD/PD)のニーズが高いこと,④心理教育には一定の有用性が確認されたが,自殺問題を抱える学生とかかわることの戸惑いと心的負担があること,が示唆された。
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