研究概要 |
悪性高熱症(MH)素因者のスクリーニング法を開発するために,リアノジン1受容体(RyR1)を構成的に発現する単球の細胞死を指標とした検査法を検討した. RyR1アゴニストのブピバカインならびにカフェインはヒト単球系細胞THP-1の細胞内カルシウム濃度([Ca^<2+>]_i)を増加させ, RyR1阻害薬ダントロレンはそれを抑制した.ブピバカインはTHP-1のネクローシスを惹起したが,カフェインは起こさなかった.同様にブピバカインはTHP-1のミトコンドリア膜電位を急速に低下させ,ダントロレンはその作用を抑制したが,カフェインの効果はブピバカインのそれより小さかった.これらのことから[Ca^<2+>]_i増加はRyR1アゴニストによる細胞障害の直接的な原因ではないと考えられた. RyR1アゴニストによるミトコンドリア障害と細胞障害の関連を評価する必要が示唆された.
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